座ったまま「不調」を解決 悩み別3秒!イストレッチ
長時間のデスクワークで、首や肩はガチガチ、脚はパンパン。背中は丸まり、下腹ぽっこり&下半身太りも気になるけれど、仕事や生活習慣は簡単に変えられない……。そんなお悩みに朗報です。
オフィスで悪目立ちせず座ったままできる簡単「イストレッチ」を取り入れて、お悩みを解消しましょう。
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日経ヘルス読者の1日の平均座り時間はなんと8時間! 実に、1日の3分の1を「座って過ごしている」ことになる。
そんな座り時間の長さや、座り姿勢の悪さによって起きていると思う不調について尋ねたところ、「首こり」がトップで、ほかにも痛みや体形の崩れ、むくみなど、主に8つの「座り不調」が挙がった。
トレーナーの佐藤健一さんは、「座り時間が長いと、姿勢を維持する筋肉が衰える。さらに、肩甲骨まわりの筋肉や腹筋群は加齢によって衰えるため、より影響が大きい」という。だから、猫背になって凝りがひどくなったり、下腹ぽっこりにつながるわけだ。本来、脚の筋肉のポンプ作用で血液が心臓に戻されるが、座っていると脚を動かさないため、ふくらはぎや太ももは、むくんでしまう。
とはいえ、デスクワークが長い生活そのものを変えるのは難しい。そこで佐藤さんが推奨するのが、オフィスでも目立たずに、座ったままでもできる簡単ストレッチだ。8大座り不調が、3タイプのストレッチで改善できる。ポイントは「3秒」を目安にゆっくりストレッチし、筋肉の心地いい伸びを感じること。いますぐオフィスでの習慣に。
【首こり・肩こり解決 3秒! 首・肩イストレッチ】
首こり、肩こりには、腕を回したり、上体を倒す動きがいい。3秒を心がけて行うことで、しっかりほぐれる。
首・肩回しイストレッチ
肩甲骨をギュッと寄せる&ゆるめる動作で、肩まわりに滞った血流を改善し、凝り感を一気に消す。
首・肩左右 イストレッチ
手を頭の上にのせ、上体を左右に倒すことで、カチカチに固まった腰から背中、首までを一気にほぐす。
【猫背・腰痛・骨盤ゆがみ・下腹ぽっこりを一挙に解決 3秒!体幹イストレッチ】
背すじがスッと伸びた座り姿勢を保つには、体幹を支えるおなかまわりの腹筋群をしっかり使えていることが必要だ。
「なかでも、おなかと腰の周囲をコルセットのように支える腹横筋(ふくおうきん)は深部にあり、刺激しにくい。呼吸で働く筋肉でもあるため、おなかをへこませて呼吸するドローインが最も効果的」と佐藤さん。これは、下腹ぽっこりのほか、骨盤のゆがみ改善にも効果的だ。
「ドローインは、腰痛を防ぐ方法としても知られている。内臓を正しい位置に収める効果もあるため、腸のぜん動運動が活発になり、便秘も改善される」(佐藤さん)
ほかのイストレッチを行うときも、ドローインしながらだとより姿勢の安定につながる。
ドローインイストレッチ
おなかをへこませたまま呼吸して腹横筋を強化。座ったままで、ときどき意識して行うといい。
背中ひねりイストレッチ
硬直しやすい背中上部の筋肉と腹筋群をねじり動作で心地よくほぐし、猫背も改善。
【太もも、ふくらはぎのむくみ解決 3秒!脚のイストレッチ】
座りっぱなしで滞ったふとももやふくらはぎの血液やリンパを押し流す。「こっそり行える度」はNo.1!
長時間のデスクワークにより「座り姿勢で脚の付け根部分、そけい部が圧迫されると、血流が悪化し、むくみや下半身太りが加速する」と佐藤さん。そこで取り入れたいのが、お尻や股関節、脚まわりの筋肉を伸縮させ、下半身の血液を戻すイストレッチだ。「全身の血流がスムーズになると、脳への酸素供給量がアップする。集中力の持続が切れる90分のサイクルを目安に継続するといい」(佐藤さん)
足元は、誰にも見られずにイストレッチができる絶好のパーツ。作業効率を高めるためにも、仕事中のストレス解消や気分転換にも、ぜひ活用したい。
脚上げイストレッチ
お尻の深層筋を刺激するストレッチ。圧迫されて滞ったそけい部の血流も改善する。
かかと上げ下げイストレッチ
前すねとふくらはぎを縮めるように足を動かすのが、筋肉のポンプ作用を高める秘訣。
トレーナー。ワイルド・ライフ・コーポレーション代表取締役社長。大手スポーツクラブ運営、トレーナー育成に携わる。独立後は各種フィットネス事業および東京大学スポーツ先端科学研究拠点長・石井直方教授とのコンサルティング業務を行う。「ライブラリフィットネス」(横浜市)主宰。
[衣装協力:シューズ/南青山レヴィケーショップ]
(ライター オカモトノブコ、写真 鈴木宏、モデル 大浦サト、ヘア&メイク 依田陽子、スタイリング 椎野糸子、構成 羽田光=日経ヘルス)
[日経ヘルス 2018年1月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。