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食の豆知識

シチューといえば白か茶色か ご飯にかけて食べますか

2018/1/17

PIXTA

「今日は冷えるからシチューとか食べたいな」

 新婚当時、出がけにオットにそう言われた私はいそいそとシチューを作って帰りを待っていた。富士には月見草がよく似合うように、シチューには新婚がよく似合う。かわいいからと選んだ煮込み鍋に、かわいいオタマ、かわいいオーブンミトン。ふつふつとほほ笑むがごとく煮えるシチューは、冬の夜にはたまらないごちそうだ。

 ところが帰宅するなり鍋を覗き込んだオットが、わあわあ騒ぎ始めた。

コトコト煮込んだクリームシチュー

オット「えー! 今夜シチューじゃないんだ! ショック!」

「え、何言ってるの? これシチューじゃん。シチュー以外の何物でもないじゃん。じっくりコトコト煮込んだシチューじゃん!」

オット「違う、違うよ。俺は茶色いシチューが食べたかったの。色が黒くて、こってりしてて、肉がいっぱいで。そして2杯目にお代わりしたらご飯にかけて食べたかったの。白いシチューじゃダメ。全然違うよ」

茶色くて、ドーンと肉があるのがシチュー?

 そう、オットにとって、ただ「シチュー」といえばそれは茶色のビーフシチューのことだったのだ。もちろんビーフだけでなく、牛タンでもオックステイルでも豚肉でもいいのだが、茶色くて、ドーンと肉があって、がっつり食べ応えのある汁物。それが彼にとってのシチューだったのだ。2杯目はご飯にかけ、ハヤシライスのように食べきるところまでが、彼にとっての「正しいシチュー生活」だったのだ。

 しかしその夜、私が作ったのは白いクリームシチューだった。

シーフードとクリームシチューの相性は抜群

 もちろん私だって、茶色のシチューは好きだ。大好きだ。でも、ただ「シチュー」と言われたら、1も2もなく白いクリームシチューを作るだろう。チキンは王道、ミートボールも捨てがたい。ホタテやエビ、アサリなどシーフードとの相性も抜群。房総にいたころは、サザエのクリームシチューを作ったことさえある。「北海道」という文字を見ただけで、白くて熱々とろりのシチューを連想してしまうくらいには、白いシチューに夢中な人生だった。

 さらにオットは続けた。

オット「それにクリームシチューじゃ、晩ご飯にならないじゃん」

「なるよ! 汁をひとすすりでワインをグビ! 具を食べてはワインをグビ! まごうかたなく大人の夜ご飯だよ!」

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