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プロ野球ロッテから戦力外通告を受け、三井物産への入社が内定した田中英祐さん=共同

プロ野球ロッテから戦力外通告を受け、三井物産への入社が内定した田中英祐さん=共同

少子化で企業が人材確保に苦戦しているなか、新卒が数年内に転職活動をする「第二新卒」に注目が集まっている。三井物産は、かつて内定蹴りされた元プロ野球投手の採用に踏み切った。名門企業としては異例の試みだ。「我慢が足りない」など第二新卒に否定的な見方もあったが、隠れた逸材がいると採用担当者は熱い視線を向け始めている。

三井物産を一度は蹴ったが

「もう一度、ウチを受けてみませんか」。2017年11月のある日、元千葉ロッテマリーンズ投手の田中英祐さん(25)は三井物産の社員からこんな誘いを受けた。

実は田中さんは約4年前、京都大学工学部4年在籍時に三井物産から内定を獲得していた。しかしプロ野球への夢を捨てきれずに、その年の秋に日本学生野球協会へプロ志望届を提出。ドラフト会議でロッテから2巡目で指名を受けた。そのため三井物産を「蹴って」、ロッテへの入団を決めた。

田中さんは京大初のプロ野球選手として注目され1軍でのデビューも果たしたが、登板した2試合では勝利を得ることはできず、17年10月、球団から戦力外通告を受けた。東京大学からも過去に何人かの投手がプロ入りしたが、やはり壁は厚い。難関国公立大からプロで大成したといわれる選手はいまだ出ていない。

田中さんは球団から用意されたロッテでのポストに進むべきか決断できずにいた。そのとき、新卒採用時から継続的に交友を深めていた三井物産の当時の採用担当社員が声をかけてきたのだ。

「懐の深い会社」と感銘

これまでの日本の名門企業ではありえないケースだ。東京大学などの東京六大学出身の有名選手が、プロ入りか一流企業への就職か、二者択一の選択を迫られたことは何度かあった。

しかし、新卒時に内定を出して、一度断られた人を数年後に新卒として入社させる例はほとんど聞いたことがない。

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