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「東大は選択肢の一つ」 新興校の渋幕、なぜ急伸 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校の田村哲夫校長に聞く

2018/1/28

両校は物理的には離れているが、ライバルであると同時にイベントなどを共同開催し、生徒同士も協力し合っている。

■渋幕と渋渋、国際イベントを共催 海外の24校が参加

18年夏には世界のトップクラスの高校生らが集う「Water is Life (ウォーター・イズ・ライフ)」という国際イベントを両校で開催する。海外から24校、120人以上の生徒が訪日する。日本からも7校が参加。水をテーマにしたイベントで、トヨタ自動車など日本企業も協力する。「水のリサイクル技術などを企業側に説明してもらいながら、生徒たちが討論し合う場です。これをすべて英語で行います。日本語は使いません」と田村校長は話す。

「渋幕の目標は教養豊かなグローバル人材を育てることです。生徒たちは世界の名門大学を目指しています。東大はその選択肢の一つです」と語る田村校長。あえて東大合格を目標に掲げず、海外の名門大学を目指すため、帰国生徒も積極的に受け入れた。80年代には東大合格を目標に掲げる新興校が関東にもいくつか誕生したが、渋幕以外はいずれも伸び悩む。田村校長は「東大合格が目標では、開成高校など伝統のあるブランド校にはかなわない」という。

田村校長による校長講話=渋谷教育学園提供

千葉県は県立千葉高校をトップとする公立王国と呼ばれた。しかし、教育に熱心で、意識が高い「千葉都民」が急増するなか、渋幕の存在は生徒や保護者の心をとらえた。日本マイクロソフト社長の平野拓也氏は渋幕の4期生。母親は米国人で千葉の公立中学へ通っていたが、「自由でオープンな雰囲気があり、積極的に帰国生や交換留学生を受け入れるなど、常に外を向いていた」と自ら渋幕を選んだ。

入学後、「学校でダンスパティーをやったら面白いのではと提案したら、学校側は費用まで負担してくれた」と振り返る。その後、米国の大学に進学してマイクロソフトに入社した。田村校長は「ダイバーシティー(多様)な環境をつくると、自然と、いい効果が生まれる」という。

■音楽、美術 アートも重視

グローバル人材を育てるため、田村校長は、自分で調べ、自分で考える「自調自考」を基本理念に「教養」を高める教育を実践。音楽や美術など芸術分野にも力を入れてきた。

渋幕の授業風景=渋谷教育学園提供

「生徒は6年間で、必ず何か1つの楽器をやることになっています」と田村校長。音楽フロアの収納室にはバイオリンなどの楽器がズラリと並ぶ。ピアノの専用練習場もある。同じフロアには生徒が自ら予約しないととれない、2つの専用室もある。中を見ると、ドラムなどがあり、バンドの練習場になっていた。田村校長は「防音設備に費用もかかったが、バンドをやりたいという生徒が多かったので」と話す。

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