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積立王子のヤング投資入門

つみたてNISA 低コスト投信への一極集中は危険 積立王子のヤング投資入門(10)

2018/1/11

「低コストだけで投信を選んではダメ。途中で運用打ち切りの恐れも」と中野さん

ヤング投資家の皆様、新年おめでとうございます。2018年の年明けと共に「つみたてNISA」(積み立て型の少額投資非課税制度)がスタートしました。前回の「積立王子がつみたてNISAを解く 20年、120本の真意」ではこの制度に込められた金融庁の真意を解き明かしましたが、今回はその続編です。まずは当局の政策意図の中でも特段のこだわりである「投資対象を投資信託とETF(上場投資信託)に限定したこと」、とりわけ「6000本超ある既存の投信のうち、対象商品が130本余りに絞り込まれたこと」の真意から説明していきましょう。

■従来の「短期・一括・集中」への全面否定

つみたてNISAは最長20年にわたる長期・継続投資です。利益に課される所得税が優遇税制で全額非課税になり、制度の目的はそこに参加する生活者の「将来に向けた資産形成サポート」にほかなりません。言い換えれば、長期運用の「複利効果」でお金を大きく育てるための制度なのです。

その際、頻繁な分配金の払い出しは複利効果を損なうだけですから、日本の投信の主流である毎月分配型の商品はすべて排除されました。加えて毎月分配型ではなくとも、短期的な値上がり期待で資金を集める特定相場追従型の「テーマ型投信」も、結果的に対象外となるようなルールが定められました。

具体的には、市場平均よりも高いリターンを目指すアクティブ型(非インデックス型)投信には商品の新設を認めず、信託報酬の上限設定に加え、50億円以上の運用残高と5年以上の運用実績期間があり、その上に運用開始から現在に至るまで3分の2以上の期間で純資金流入があること(安定した資金フロー)、といったより厳しい条件まで設けました。そのため、3000本以上あるといわれるアクティブ型投信のうち、登録を許された商品はたったの15本になっていました(2017年12月18日時点)。

こうした条件設定の根底にこそ、これまで「長期・積立・分散」投資にかなう商品供給を怠ってきた日本の金融業界に対する、金融庁からの憤りと反省を促す意図が内在しているといえるでしょう。それはとりもなおさず、これまでの金融業界では顧客に対し、投信をもっぱら「短期・一括・集中」投資へ誘導する道具として扱ってきたからです。業界ではまとまった資金を元に短期間で何度も売買してもらうことによって、販売手数料収入を繰り返し得ることが事業の目的と化してしまったのです。

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