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就職や転職での安定志向が強まっている。ディスコの「キャリタス就活」調査によると、2018年3月に大学を卒業する学生が、就職先企業を選ぶ際に重視した項目の第1位は「安定していること」で、47.6%に上った。学生に限らず、私が転職活動をサポートしている40歳以上のベテラン社会人の中にも、「現在の会社の将来が不安なので、転職先には安定性を求めたい」という方が非常に多い。だが、皮肉なことに転職市場では、「安定性を求めれば求めるほど、逆にリスクが高まる」傾向があるのだ。

安定か変化か 組織か仕事か

リクルートマネジメントソリューションズが定期的に実施している「新人・若手の意識調査」に、働く価値観を以下の分類で取りまとめたリポートがあります。仕事に求める価値観として、まず「安定志向か、変化志向か」というヨコ軸、もうひとつが、「組織志向か、仕事志向か」というタテ軸です。文字通り、どちらをより重視して働いているかを問う形式で、この組み合わせによって図の4パターンに分けられます。

仕事に求める価値観の4パターン(作図 黒田真行)

仕事に求める価値観の4パターン(作図 黒田真行)

ちなみに14年の調査では、A、B、C、Dの順番で出現率が高かったそうです。この分類に、ご自身の志向を重ね合わせるとどのタイプになるでしょうか。ぜひ一度プロットしてみてください。

私が転職相談でお会いする40歳以上の方々を大まかに分類すると、

●安定重視か変化重視かでは、安定を希望する人が7割
●組織重視か仕事重視かでは、組織重視という人が6割

という比率になります。結果的に40歳代以上のミドル世代の転職活動では、「A=安定×組織」志向の出現率がいちばん高くなり、それとは正反対の「C=変化×仕事」志向が最も少ないというのが実感値です。

問題は、ここからです。すべての方の希望する条件に合う求人案件ができるだけピッタリ見つかることが理想ではあるのですが、現実はあらゆる観点でミスマッチが存在しています。どれだけ熱望している条件でも、経験・スキル、年齢、地域、タイミングなどで、希望がかなわないこともしばしばあります。

中でも最も多いミスマッチの一つが、「A=安定×組織」志向の方の希望にフィットする求人が少ないことです。メガバンクや電機業界などのニュースでご存じの通り、IT(情報技術)やAI(人工知能)の活用で世界に後れをとってしまった日本では、これまで「安定性の象徴」だったような超巨大企業があらゆる局面で苦戦を強いられ、事業撤退や買収、リストラなどの嵐が吹き荒れています。

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