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日比谷らしくない改革 経営者校長、東大合格校に再生 日比谷高校の武内彰校長に聞く

2018/1/14

東京都千代田区永田町にある日比谷高校

公立高校復活のシンボル的な存在になった都立日比谷高校(東京・千代田)。旧制の東京府立第一中学の流れをくみ、1960年代まで東京大学の合格トップ校として君臨した後、長く1ケタ程度での低迷が続いた。ところが近年は復調し、2017年の東大の現役合格者数は33人に上った。こうした「日比谷の復活劇」を仕掛けたのが武内彰校長だ。千代田区永田町にある日比谷を訪ねた。

■入学時の学力は高くなかったが

「17年の東大の現役合格者は33人。2000年以降では最高になりましたが、実はこの学年の生徒の学力は、ほかの学年と比べて決して高くはなかったんです」。武内校長はこう明かす。校舎改修工事のため、入学して1年間、仮校舎で授業をしなくてはいけなかったため、女子生徒を中心に敬遠された。「そこで同高では初めての試みを次々仕掛けました」という。日比谷の1学年の定員は320人、約1割が東大に現役合格したわけだが、どんな対策を打ったのか。

武内校長は「日比谷らしくないと批判されることもしました」という。

一つは学習時間調査を実施した。年3回、2週間にわたって生徒に日誌をつけさせ、担任との面談に活用した。何時に起床して、授業を受け、部活をして何時から何を学習した、あるいは塾に行ったなど詳細な学習データを収集。生徒は教員から「君は数学の学習時間が足りない」といった指導を受ける。かつての日比谷は「勉強するか否かは本人の自由。生徒の自主性に任せる」がモットーだった。

もう一つは模試の結果に対する「学年集会」だ。民間業者の模試を受けた場合、通常は教室で教員が生徒に模試の成績を配るだけだった。しかし、学年集会では、各教科の問題を分析して学年全体の成績・学力の傾向を洗い出し、「日比谷の生徒は数学のこの問題をしっかり把握できていない」などと担当教員が指摘する。これを生徒と共有し、今後の課題や対策を錬るわけだ。

■「東大国語」などの補習も

活発な議論が繰り広げられる英語の授業=日比谷高校提供

このような調査、学年集会を通じて各生徒の実力を徹底的に把握・分析する。そして高校3年生には「東大国語」などと称した難関大学対策の放課後補習をスタートした。国英数など主要科目は通常の授業後の午後3時半から5時まで開く。

一方、模試での数学の成績が下位の生徒に対しては、午前7時半から大学入試センター試験対策として基本問題を学ばせ、底上げを図った。「成績上位の生徒だけではなく、下位の生徒にも徹底的に指導します。受験は団体戦です」と武内校長は話す。

英語などの授業はアクティブ・ラーニング(能動的な学習)が定着し、生徒が活発に論議しながら進む。

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