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有森裕子 5時間台のフルマラソン体験で感じたこと

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

2018年が幕を開けました。2017年の後半には全国各地でマラソン大会が開催され、参加された人も多いのではないでしょうか。自己ベストを更新した人や、完走して目標を達成した人もいれば、一方で残念ながら完走できなかった人、ケガをしてしまった人もいるかと思いますが、シーズンも一区切りしたことですし、しっかり休息を取ったうえで体調管理に気をつけながらこれからの季節を乗り切っていただければと思います。

3回目のおかやまマラソンも何とかフィニッシュ!

私は2017年も、忙しいマラソンシーズンを過ごしました。10月と11月はほぼ毎週末、全国各地のマラソン大会に足を運び、講演をしたり、参加者の皆さんの伴走をしたり、応援したりと、フル稼働していました。そんな中、11月12日には私の故郷・岡山県で開催された「おかやまマラソン2017」に、スペシャルアンバサダーとして参加しました。

「おかやまマラソン」は、私が唯一、年1回だけ走るフルマラソン。2016や15年は、階段の上り下りや100回スクワットなどで足腰を鍛えることを意識して参加しましたが、3回目となる今回は例年に増して忙しく、日常のトレーニングもあまりできませんでした。

唯一、2018年2月の東京マラソンに出場するチャリティランナーの人たちと行った伊豆大島でのランニング合宿で、20km程度のランニングや水中ウオーキングなどをしましたが、当然のごとく、これだけでは練習不足……。おまけに腰にやや違和感があって完走できるか心配でしたが、おかげさまで何とかフィニッシュすることができました!

「晴れの国おかやま」といわれるぐらい、岡山は晴天が多いことで知られますが、大会当日はやや曇り気味。しかし気温9.7度で無風という、マラソンには絶好のコンディションでした。フルマラソンには1万4894人、5.6kmのファンラン(Fun Running)には1243人という、いずれも過去最多のランナーが参加しました。

ファンランは2017年から、フルマラソンと同様にゴールが競技場になり、給水所も作りました。本来なら5km程度のコースには給水はないのですが、いつかフルマラソンに挑戦したい人のためにも、給水や、競技場でのフィニッシュを体験できるように大会側が工夫したのです。参加者の皆さんは喜んでくださったと思います。フィニッシュ地点を競技場にすることで応援する人たちも競技場に集まるので、大会の盛り上がりにもつながりました。

さらに、残念ながら私はお会いできませんでしたが、岡山出身のお笑いコンビ「千鳥」の大悟さんや、小島よしおさんらもゲストランナーとして出場され、ランナーとハイタッチしたりして大会を盛り上げてくださったそうです。

3時間台か5時間台かの二択を迫られ…

さて、私の2016年のタイムは4時間21分58秒だったので、今回もそれぐらいのタイムを目標にゴールできればいいかなあと思っていました。ところが、競技場で行われる表彰式に私の完走後のインタビューが重なるのを防ぐため、大会関係者から「3時間台か5時間台のどちらかでゴールしてください」と思わぬリクエストが。

前回の4時間台のタイムでも結構、体はつらかったので、さすがに3時間台で戻ってこられる自信はありません。私は、「いえいえいえ、3時間台は無理です! 5時間台で行きます!」と即答。そんな大人の事情があり(笑)、今回はのんびりと走ることに決めました。

しかし実際にスタートしてみると、最初の5kmを5分/kmという速度で入ってしまい、5時間台のスピード配分がいまひとつ分かりません。途中2カ所ほど、大勢の応援団がいる地点で立ち止まり、ランナーの皆さんの応援に専念しましたが、それでも再び走り始めると、友人ランナーから「まだペース、速いよ~」などと声をかけられ、さらにスピードダウンして調整しました。

そのペースのおかげで、今回は、思いのほか、気持ちにも体力的にも余裕が生まれました。沿道で盛り上げてくれていた、高校生や大学生らによる吹奏楽演奏、チアリーディングなどと一緒にランナーを応援することもできましたし、途中で配布される塩分多めの「スポーツきびだんご」や黄ニラ水餃子、千両なす、果物やゼリーといった地元の「おもてなし給食」を、ほぼすべて口にしたのでは?というほど堪能させてもらいました。

疲れや足の痛みが出始めて苦しい約32km地点の給水所では、県内5店がラーメンを提供していますが、それもペロリと胃袋に。立ち止まったことで少し足が痛くなったのですが、ラストを踏ん張る力になりました。ランナーの皆さんとハイタッチしたり、声をかけたりといった余裕は、前年よりあったと思います。

結局、シティライトスタジアムに戻ってきてフィニッシュしたタイムは、5時間9分24秒。前回はヘトヘトでゴールテープを切り、インタビューのときに思わず座ってしまいましたが、今回は立ってインタビューを受けることができました。「5時間台で走るってこういう感じなんだ」「5時間台は自分の中ではまだ余裕があるタイムなんだ」と今の自分の状態を知ることができてよい機会になりましたし、ゆっくり走ることを素直に楽しめました。

おかやまマラソンが開催された当初は、「フルマラソンに参加するのは3回まで!」と自分の中で決めていた私ですが、これくらいのペースでいいのなら来年も出ようかな、と思ったほど楽しかったです(笑)。完走者に贈られる、倉敷特産の「真田ひも」と地元の若手作家たちの製作による備前焼を組み合わせたメダルを、今回ももらうことができました。

ランナーの心肺停止で、AEDの重要性を痛感

さて、今回の大会では、フルマラソンに出場した男性ランナー2人が途中で倒れて心肺停止状態になってしまいましたが、幸い、近くにいた救護スタッフらが自動体外式除細動器(AED)で対応し、一命を取り留めることができました。

24km付近で50代の男性が倒れたとき、実は私もちょうどその辺りにいました。偶然近くにいらっしゃった一般参加の医師などが初期対応にあたってくださったため、私はほかの参加者が立ち止まらないよう、誘導する役割を担っていました。すぐに救護スタッフやドクターランナーが駆けつけてくれたので大事に至らず、本当によかった。AEDの大切さを改めて痛感させられる場面でもありました。

ランナーが倒れてしまった現場では、居合わせた人たちがAEDのトレーニングを受けていることと同じぐらい、「AEDを使うべきかどうかの判断」も重要になります。仮にその時点では呼吸や心音が確認できても、いつその状況が変わるか分かりません。そんな場合にAEDを使うか否かの判断は素人には非常に難しいと専門家は言います。では、我々ができることは何なのでしょうか。AEDを使うべきかどうかの判断はできなくても、人が倒れたら、AEDとそれを使える専門のスタッフを一刻も早く現場に呼ぶように迷わず行動することだと思います。

今回偶然、そんな体験をした直後に、日本AED財団主催の「減らせ突然死 AED推進フォーラム2017」が開催され、私はASJ(ATHLETE SAVE JAPAN)スペシャルアンバサダーとして参加しました。AEDの重要性は前々から意識していたのですが、今回の大会での体験とフォーラムで聞いた話が重なって、マラソン大会という場を使って「AEDの重要性や命の大切さ」をもっと発信していったほうがいいと改めて感じました。

例えば、スタート前の参加者が集まっている中や、大会前日のイベントなどで、「人が倒れたらすぐにAEDを持った救護スタッフを呼びましょう」とアナウンスするだけでも、AEDが必要になる場面に遭遇したときに誤った判断に至らないように思うのです。

AEDはあらゆる場所で必要になります。その重要性を、学校や公共施設といったいろいろな場所でもっと訴えていかなければいけないとも思います。学校なら先生たちがきちんとAEDの知識を持ってほしい。その一つのきっかけとして、全国各地で開催されるマラソン大会での啓発活動が役立てばいいなと思います。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子さん
 元マラソンランナー。1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

[日経Gooday 2017年12月12日付記事を再構成]

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