欧州のなまはげ? ブルガリア、伝統息づく仮装の祭典
毎年1月最後の週末、ブルガリアの工業都市ペルニクではスルヴァ・フェスティバルが開催され、街全体に色があふれ、お祭り気分に包まれる。正式名は「International Festival of Masquerade Games」。バルカン諸国最大級の祭典で、ヨーロッパやアジアから多くの旅行者が訪れる。
フェスティバルが正式に始まったのは1966年だが、冬に仮装する習慣は古い異教徒の伝統に起源を持つ。2日間にわたってパレードが行われ、参加者たちは凝った衣装と人目を引く仮面を身に着け、街を練り歩く。悪霊を払い、来るべき春に向けて幸運を呼び込むという意味が込められている。
典型的な衣装はヤギやヒツジの毛皮でできており、色とりどりの布やビーズ、張り子で装飾されている。仮装コンテストでは、参加者がパレードや野外ステージでパフォーマンスを行い、審査はその衣装で行われる。ちなみに、地域によって異なる仮面は審査の対象外だ。
クケリと呼ばれる参加者は、伝統的に独身男性が中心だったが、時代とともに女性の参加者も増えている。
2017年の参加者は過去最多を記録。ブルガリアのニュースサイトによれば、男性3900人、女性1300人、子供1200人がクケリとして参加したという。 2015年、スルヴァ・フェスティバルはユネスコの無形文化遺産に指定された。
次ページで、多彩な衣装に身を包んだ参加者の写真をさらに8点紹介する。
(文 Sarah Gibbens、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2017年2月6日付記事を再構成]
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