
ネクタイの締め方次第でスーツ姿の印象はがらりと変わります。「ノット(結び目)が大きすぎる」、「ディンプル(くぼみ)が不格好」など胸元の雑な印象で損をしているビジネスマンが意外に多いのではないでしょうか? 基本にして万能とされる「プレーンノット」も「ひと手間」かければ美しく仕上がります。専門家に正しい結び方を教えてもらいました。

アイネックス商品開発部部長 PR担当 並木孝之さん
オリジナルのロバート フレイザーなどの開発を手掛け、国内外のタイも幅広く扱う。世界のタイ事情に精通。
「ひと手間を加えるだけで仕上がりが見違えます」
プレーンノットは基本にして万能なタイの結び方。目をつむっていても締められるという方も多いだろう。しかし並木さんから見ると、プレーンノットをきちんと結べている人はじつのところ非常に少ないらしい。
「今の上質なタイの多くはプレーンノットで最も美しく締められるよう芯地や生地などを調整して作られています。でもそれが綺麗に結べていない人が本当に多い。結び方自体は間違っていないのですが、ちょっとしたポイントを押さえていないために、ノットが大きすぎたり、ディンプルがきれいに入っていなかったり、あるいはシャツの台襟との間に、妙な隙間ができていたりするんです。これではいくらコーディネートが完璧であっても、決してお洒落に見えません。よく言われるようにネクタイはビジネスマンの顔。今一度ご自分の結び方を見直してみることをおすすめします」(並木さん)。プロがこだわる「微テク」、微妙な違いを生む3つのテクニックを紹介しよう。
【微テク 1】
大剣と小剣の長さを揃えてベストな大きさのノットにします
この一手間で美しいノットの8割が完成


「ノットの大きさが不格好な人は、大剣を適切な太さのところで巻けていません。今のタイは生地にかかわらず、正しくプレーンノットで結べばベルトのバックルあたりで大剣と小剣の長さが揃うようできています。体型によりタイが余ったり短くなる方は、大剣をバックルあたりにくる位置で保ちつつ、ノットの大きさを調整します」
大剣と小剣の高さを揃えると、美しく締められます

左:厚手のウール地でもノットが膨らみすぎない
中:芯地がしっかりしたタイもコンパクトに結べる
右:薄手のシルクタイでもノットの立体感をキープ
※トルソーのネクタイは全て1万円/ロバート フレイザー(アイネックス) シャツ〈スタイリスト私物〉

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