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平昌ジャンプ台に「白馬」の技 防風ネットで選手守る 五輪開幕まで3週間、日韓で通訳やスポーツの草の根交流も

2018/1/19 日本経済新聞 朝刊

平昌冬季五輪スキージャンプ台の防風ネットを設計した赤羽吉人さん(長野市)

平昌冬季五輪の開幕まで1カ月を切った。スポーツを通じた両国の交流や大会を支える人々の姿を追った。

◇  ◇  ◇

■「レガシー」として残したい

平昌冬季五輪のジャンプ台がある「アルペンシア・スキージャンプセンター」。周辺には高さ最大25メートル、幅255メートルの巨大な防風ネットがそびえ立つ。大会中の2月は秒速15メートルの突風に見舞われることがある。選手が安全に競技を行うために欠かせない設備だ。

平昌冬季五輪のジャンプ会場「アルペンシア・ジャンプセンター」(共同)
赤羽さんはスキージャンプ会場がレガシーになってほしいと考え、防風ネットの常設を主張した

「トラブルがないまま競技が進行してくれたら」。長野市の建築家、赤羽吉人さん(68)はプロジェクトリーダーとして防風ネットの設置工事を仕切った。

1980年代から日本国内のジャンプ台の設計や改修に携わり、98年長野大会で使われた「白馬ジャンプ競技場」(長野県白馬村)の設計も手がけた。

平昌のジャンプ台を巡っては、大会に備え2015年に防風ネットを新設するコンペが行われた。赤羽さんは韓国のスキー関連企業と組んで参加。長野大会のネットが現役で稼働している実績から、イタリアなどのライバルを抑えて事業者に選ばれた。

製作では、白馬より強い風が吹く平昌の過酷な環境を考慮して素材の耐久性などを重視。表面に開いた穴の大きさが違う10種類のネットを試作した上で、人工的な風を使った実験を繰り返した。その結果、風速を実際の7割減にすることに成功したという。

スキージャンプは、日本選手のメダルが期待される競技の一つ。前回の14年ソチ大会は有力選手が風に泣かされただけに、赤羽さんは「選手が公平な条件で飛べるような環境づくりを心がけた」と力を込める。

五輪の遺産(レガシー)を残すことも同時に意識した。ソチ大会のように初期投資が少ない仮設のネットで対応する方法もあったが、赤羽さんはコンペで「常設のネットを設けるべきだ」と力説した。

日本に比べ、韓国ではスキージャンプはマイナーな立場とされる。赤羽さんは「常設にすることで充実した競技環境を将来に残してあげたかった。私の防風ネットがきっかけで韓国に競技が根付く助けになったら」と期待を寄せる。

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