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動くか、TV買い替えの山 五輪・W杯に耐用年数迫る 18年はイベント目白押し TDLが開業35周年、新元号も

2018/1/22 日本経済新聞 朝刊

家電量販店では有機ELテレビの販売に力が入る(東京・千代田区のヨドバシカメラマルチメディアAkiba)

 2月の冬季五輪に6月のサッカーワールドカップ(W杯)――。2018年は話題のイベントが極めて多い。見たい、応援したいとの思いが財布のひもを緩め、個人消費を3兆円も押し上げるとの説もある。

 「2月の韓国・平昌での冬季五輪で勢いづけたいところ」。都内の家電量販店の担当者は意気込む。フィギュアスケートなど日本の注目選手が数多く登場する冬季五輪に、テレビ買い替えの特需を期待する。

 選手の速い動きをクリアに追う映像は、性能の違いがはっきりと出やすい。冬季五輪のほか、6月のサッカーW杯・ロシア大会をきっかけに買い替えが進みそうだ。

 ちょうどテレビが耐用年数に近づきつつあるという家庭も多い。内閣府によると、カラーテレビの平均使用年数はおよそ9.3年。リーマン・ショック後の需要喚起策として09年に家電エコポイントが始まり、このときに買ったテレビを使っている家庭では18年が買い替え時というわけだ。

 くしくもシャープが17年12月に、中国に続き国内市場にも高精細の「8K」液晶テレビを投入した。18年12月にNHKが実用放送を始める予定。70型で約100万円と高価だが、新製品に目がない人には垂ぜんの一品だろう。

 老若男女に人気の高い東京ディズニーランドは、4月に開業35周年を迎える。運営するオリエンタルランドは東日本大震災直後の12年3月期ですら、東京ディズニーシーの開業10周年イベントなどで最高益を更新した。今回も節目のイベントを続々と繰り出してくると予想される。訪日客を含めた旅行需要や関連グッズの販売は伸びそうだ。

 このほか、天皇陛下の19年4月30日の退位、5月1日の皇太子さま即位を控え、18年中には新しい元号が決まる。元号にちなんで街や道などが命名されて注目されれば、思わぬ観光需要が生まれる。派生したコト消費の広がりは、予測できないほど広がる。

 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、18年は一連のイベントが個人消費を2兆9千億円押し上げると試算する。内訳はテレビなど耐久財が1兆円、旅行や外食などサービスが1兆9千億円だ。

 「19年のラグビーW杯や20年の東京夏季五輪など18年以降もイベントが続く。19年10月には消費税率引き上げも控えておりテレビなどの買い替え需要の顕在化を後押しする」という。17年は五輪もサッカーW杯もなく、イベント効果は2千億円しかなかった。

 イベント商戦は消費者心理に左右される。欧州債務危機のあおりで景気が後退局面に入っていた12年はロンドン五輪を控えてもテレビ販売などは不発だった。今は内閣府の世論調査で生活への満足度が過去最高でマインドは上向きだ。

 加えて必需品の値下げでお金が浮けば、レジャーなどに振り向けられやすくなる。家計支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は円安の影響で上昇してきたが、食品値下げなどで16年末をピークに頭打ちだ。

 12年12月に始まった景気回復は6年目に突入し、戦後2番目の長さとなった。ただ、02~08年の戦後最長の回復期と比べて消費の伸びの鈍さが指摘されてきた。今月23日には経団連と連合のトップが会談し、春季労使交渉(春闘)が本番を迎える。大幅な賃上げが実現すれば、イベント需要が消費を押し上げデフレ脱却の本格的な流れをつくりそうだ。

(川手伊織)

[日本経済新聞朝刊2018年1月8日付]

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