即時買い取りのメルカリとCASH 査定額に5倍の差も
スマホで不用品の写真を撮るだけで、査定額が瞬時に提示され、発送前にお金を受け取れる――。そんな驚きの新サービスが「即時買取アプリ」だ。バンクの「CASH」が先駆けとなり、メルカリも「メルカリNOW」で追随した。ネットフリマとは違い、購入者とのやりとりといった手間は一切不要。圧倒的な手軽さとスピード感が人気の理由だ。
買い取りまでの手順は、CASHもメルカリNOWも基本は同じ。アプリ上で商品のブランドやカテゴリーを指定し、コンディションを3段階から選択。そして、スマホのカメラで写真を撮るだけで査定額が提示され、納得したら売るだけだ。あとは無料集荷を依頼し、商品を渡せば完了する。
使い方(CASHの場合)
CASHとメルカリNOWを比べると、使い勝手ではCASHがリード。対象商品はどちらもアパレルが中心で、有名ブランドをカバーしているが、CASHのほうがより幅広く対応している印象。アパレル以外にスマホなども一部対象になる。
査定額が大きく異なるケースも
肝心の査定額はどうか。メンズアパレルで試したところ、TATRASのダウンジャケットがメルカリNOWで1万円超となるなど、意外にも大手買取店の店頭査定を上回るケースもあった。2社で比べると、メルカリNOWで1万円超だったTATRASは、CASHでは3000円に。だが、FIDELITYのピーコートはメルカリNOWでは2350円だったのに対し、CASHでは3600円と逆転。商品によって査定額に違いが出た。これは、CASHが中古市場の流通価格を参照するのに対し、メルカリNOWは主に同社のフリマでの売買価格を参考にするなど、指標が異なるためだろう。メルカリ内で人気のブランドなどは、メルカリNOWのほうが一般的な買取相場より高く査定される可能性もある。
気を付けたいのが、ブランド品の場合だ。ブランド買取専門店に比べ、どちらも大幅に低いケースが目立った。そもそも査定額はどちらも2万円が上限。ブランド品の中古価格は定価の2~4割程度といわれ、買取価格はそれ以下になる場合が多い。即時買取アプリは、10万円超の高額品を売るには向かないことは覚えておきたい。
[注]サービス内容や査定額はすべて17年12月中旬時点のもの。店舗での買い取り価格の例は、都内の大手ブランド品買い取り店や家電リユースショップで査定したもの。また、フリマアプリの販売価格の目安は、フリマアプリやオークションの相場を比較できる「オークファン」でフリマアプリの中古品を対象として調査し、日経トレンディ編集部でまとめた。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2018年2月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界