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オトナのスキルアップ入門

じぶん働き方改革! 出世するほど仕事が楽になるコツ

日経ウーマンオンライン

2018/1/12

仕事が多すぎてパニックになっていませんか? (PIXTA)
日経ウーマンオンライン

 先日「今の仕事も職場も好きだしやりがいを感じている。でも出世はしたくない。だって今よりも業務量が増えるなんて、考えるだけでもぞっとする」という人の話を聞きました。

■「出世すると業務量が増える」のか?

 彼女は30代半ば。後輩が増えていく中、いつまでも新人気分でいられないのは分かっています。かといって昇進を目指してバリバリ働く、というのも大変そうで今は考えられないとのこと。彼女は決して「腰掛け」気分で働いているわけではなく、むしろ真面目で一生懸命に仕事に取り組んでいます。真面目だからこそ、出世したら今の一生懸命さを2倍、3倍にすることが必要だ、と思い込んで暗たんたる気持ちになっているようです。

 実は、出世するということと、業務量が増えるということに相関関係はありません。業務量が増えるのではなく、業務の質が変わるだけです。今まで自分が全部やっていたことを部下の特性を見ながら割り振るといった、プロデューサー的視点は必要です。しかし、実作業という意味においては手足を動かすことは減るため、あなたの工夫次第で業務がグンとラクになることだってあり得るのです。

 出世に限らず、ステージが上がると自動的に今よりももっと大変になる、と思っている方は多い気がします。しかし、実は逆です。ステージが上がれば上がるほど、自分の裁量で物事を動かすことができるようになるため、ラクに楽しく仕事ができるようになるのです。もちろん責任も増えるのでプレッシャーは高まるかもしれません。でも、プレッシャーはチャンスです。自分で決めたことを自由に遂行して、市場にどう受け入れられるかを試す機会が与えられると思ったら、楽しいと思いませんか?

 もしあなたがそう思えないのなら、今回紹介する「優先順位ベタ」のワナにはまっているのかもしれません。成果が上がりやすくて楽しい仕事と、頑張っても成果を上げにくい仕事を一緒にして、同じ労力で頑張ろうとしているために、仕事をすることの楽しさを忘れてしまっているのです。

■「イライラオーラ」があなたから面白い仕事を奪っている

 優先順位ベタの特徴は3つです。

1.サービス精神旺盛で自分がやらなくてもいいことまでやってしまう(過剰品質)

2.とにかく頑張れば道は開けると思っている

3.仕事の全体像とゴールを確認できていない

 優先順位付けがうまくできている人は、自分が力を入れることで組織が最大限にパワーを発揮する仕事にエネルギーを注力します。全体の中の自分の立ち位置を、一歩引いて考えているから、手をかけるべきポイントが分かるのです。

 一方、優先順位ベタで過剰品質に陥りがちな人は、自分が動くことで最大限効果がある作業を見極めることなく、全部に全力投球するので周囲からはいつもイッパイイッパイに見えます。そのせいで、本当はやりがいがある楽しい仕事があなたの前に用意されたとしても、それを受け入れる余白がありません。周囲から見ていつも焦っていて、イライラしているように見えるため、やりがいがあってワクワクする仕事をあなたに振りたいと上司が思っていたとしても「あの人はいつも忙しそうだし、余裕がないみたいだからやめとくか」となることが多いのです。つまり、あなたの「イライラオーラ」がやりたい仕事を遠ざけているわけです。

 他の人にチャンスを奪われ、「それ、私がやりたかったのに……」と悔しい思いをしたことがあるなら、もしかして過剰品質のために疲弊していて、新しいことを受け入れる「余白不足」だったのかもしれません。せっかく頑張っているのに報われないのはつらいことです。早速解決策を考えてみましょう。

■チームへの貢献度×自分の担当度のマトリクスで仕事を割り振る

チームへの貢献度が高く、担当度が高い仕事を優先的に行おう

 まずは図を参考に、現状の仕事を上のマトリクスに分類して、分析してみましょう。

 確認の手順は次の2ステップです。

1.向こう1週間の間であなたがすべき仕事を、大小関係なく、1項目、1ふせんで書き出してみましょう。

2.上記のマトリクスにマッピングしてみましょう。

 書き出すときのポイントは、頭に浮かんだ仕事内容を、細かくても大きすぎても良いのでどんどん勢いをつけながら書いていくことです。ここでよく、ロジカルシンキングで出てくる「MECE(=漏れなく、ダブりなく)」でやらなければ! と真面目な人は考えてしまいがちですが、正確さを求めて作業が止まってしまい、結局最後まで書けないよりは、間違っていてもぐちゃぐちゃでもいいから、頭の中にあるモヤモヤを一気に吐き出してしまったほうが効果的です。

■優先順位が付けられない人は経営理念を確認してみよう

 実は、このマトリクスの分類をしようと思っても、どうしても分類できずに、全部重要な気がしてものすごく時間がかかる方もいます。そんな方は、自分の会社の経営理念やミッションを改めて確認してみましょう。なぜならば、会社組織にいる以上、会社の理念をより良く忠実に実現している人が評価される人のはずだからです。普段じっくり見ることがない経営理念の中に、あなたの成長のチャンスは隠れています。

 会社員ではなく、フリーランスなどで取引先と仕事をしている方は、取引先の経営理念を見て、その理念に最大限沿うような仕事を優先度高く位置づけ、納品スピードをピンポイントで上げるようにするだけでもだいぶ評価は変わってきます。

■自分で自分の人生を邪魔しないで

 仕事は楽しいけど出世はしたくない、という方は、知らず知らずに自分の能力を低く見積もっている場合が多いです。「あの人と私は別」と、最初から限定された条件で思考するのに慣れてしまうと、「自分ができるのはこんなもんだ」「自分の稼ぎ力だとこのくらいが適当だから」「本当はこうしたいけど、いきなり人格が変わったみたいで周囲からどう思われるか考えると恥ずかしい」といったように、いつも周囲の目を気にして、思考の制限をつけた目線で物事を考える癖がついてしまいます。自分で自分の人生を邪魔しないためにも、ぜひ私はあなたに出世を目指してほしいと考えています。

 やりがい・達成感があり自分の成長も感じながら仕事を続けることと、ルーティンワークをひたすらこなして疲弊する割に上司や会社から認められない仕事を続けること、どちらが楽しいかは自明ですよね。

 会社での労働時間が8時間とすると、会社にいる時間は1日のうちの3分の1を占めます。睡眠時間を仮に7時間として除くと、人生の半分は会社にいることになります。人生の半分を費やす会社で「そこそこ」を目指すか、自分の「楽しい!」を追求する場とするか。判断は常に、あなたの手に委ねられています。

 あなたのチャレンジを、心から応援しています!

池田千恵
 株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や自治体の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。「絶対! 伝わる図解」(朝日新聞出版)、「朝活手帳」(ディスカヴァー21)など著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2017年12月6日付記事を再構成]

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