食とお酒にこだわる大人の日常の楽しみといえば、今日1日仕事を頑張った自分にささげる「お疲れさま」の一杯。一杯目は、喉の渇きを癒やしてくれるビール、ハイボール、サワーなどが定番でしょうか。
しかしそこは寒さが身に染みる今日この頃。乾杯の一杯を終えたあとは、冷えた身体を温めてくれる、かんをした日本酒にも手が伸びる時期でもあります。
さて、みなさん定番の「日本酒のさかな」といえばどんなものがあるでしょうか?

刺し身はもちろんのこと、酒盗やイカの沖漬け、イクラ、たこわさなどの漬け込み系や、アンキモ、ポテトサラダ、肉じゃが、板わさなどなど。今の時期だと鍋物もたまらないですね。地域や時期によって多種多様なのが酒のさかなの魅力の一つですし、枚挙にいとまがありません。
みなさんそれぞれに「これは外せない一品」というのがあるでしょうし、もし「酒のさかな総選挙」なんかやろうものなら、どれが1位か、口角泡を飛ばす議論に発展してしまうかもしれません。
今回は、ちょっと視点を変えて、酒のさかなの原点とも言える「塩をつまみに酒を飲む」スタイルをご紹介したいと思います。

「え、塩で酒を飲むって…どんな酒好きがそんなことするんだ?」とちょっと引いたそこのあなた。実は酒に塩を合わせるというのは、そんなに特殊なことではないのです。
たとえばカクテルでは、グラスのふちに塩をつけた「スノースタイル」という様式があり、少しずつ塩を口に含みながらカクテルを楽しみます。ウオッカとグレープフルーツジュースを混ぜて仕上げた「ソルティドッグ」や、テキーラとホワイトキュラソーをライムジュースで割った「マルガリータ」など、たぶんお酒を飲む人なら誰でも一度は耳にしたことがあるだろうメジャーなカクテルが、この様式で提供されています。
また、スノースタイルは、別に見た目の華やかさを増すという役割だけでなく、アルコールや果汁の苦味や酸味を塩のしょっぱさが打ち消すことによって、甘味を引き出すという役割も担っています。