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高血圧でも通常の保険に加入 査定基準、緩和の動き 保険料、健康な人と原則同額に

2018/1/9

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 一部の生命保険会社が、高血圧で治療中でも生命保険に加入できるようにしたと聞きました。やはり保険料は通常より割高なのでしょうか。

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 高血圧だと血管の内壁が傷ついたり硬くなったりして動脈硬化を起こしやすくなるといわれる。脳卒中や心疾患など生命に関わる病気になりかねないため、保険契約の現場では「高血圧を理由に加入を断られた」ともらす人が少なくない。

 第一生命保険は2017年7月、高血圧や糖尿病などの持病がある人でも、状態によっては通常の死亡保険や医療保険に加入できるよう査定基準を緩和した。原則として保険料も健康な人と同額だ。

 日立製作所と組んで16年9月から、10年以上に及ぶ保険金の支払い・加入の記録やレセプト・健診などのデータを分析。特に高血圧について、治療中の人と健康な人との間に入院の可能性やその日数に大きな違いはないという結果を得た。

 同社によると、15年度の申込件数約120万件のうち、医学的理由などで契約できなかったり条件付きで契約したりした件数は約7%。査定基準の緩和で高血圧のほか糖尿病、ぜんそくなどの持病があっても、約1万2000件は加入できるようになったという。

 一般に高血圧などの持病がある人は通常の保険に加入するのは難しい。加入したい場合は主に2つの選択肢がある。ひとつは「部位不担保」という条件付きで、持病による入院や死亡については原則、保障が受けられない。もう一つは引受基準緩和型(限定告知型)で、持病に対しても保障は得られるものの、保険料は通常に比べて割高だ。

 持病がある人にとって査定基準の緩和は朗報だろう。実は、このような動きは共済組合が先行している。

 日本コープ共済生活協同組合連合会(CO・OP共済)は15年9月から、高血圧と脂肪肝の人について査定基準を緩和し、終身生命共済、終身医療共済など4つの商品に加入できるようにした。対象は満30歳以上。過去5年以内に高血圧、脂肪肝で入院したことがない人だ。ただし、別途、詳しい健康状態を提出する必要があり、内容によっては加入できないこともある。

 全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)も16年10月から、高血圧の人についてこくみん共済、総合医療共済、せいめい共済に加入できるようにした。対象は30歳以上だ。血圧の基準値などは公表していないが、通院していたり薬を服用していたりしても、それを理由に加入できないことはないとしている。

 今回、医療データの分析結果が明らかになったことで、生保各社が加入条件を緩和する動きが広がる可能性はありそうだ。実際、ある生保関係者は「健康診断で血圧が多少高めでも、血液や心電図など他の数値が良好であれば、総合的に判断している」と話す。

 保険加入の際には持病があったとしても、まずは通常の保険を検討してみるのがいいだろう。

[日本経済新聞朝刊2018年1月6日付]

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