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旅行積立で海外へ 「利回り」3%以上、使途は限定 積立方式は一時払い・月払いから選択

NIKKEIプラス1

2018/1/11

クルーズ旅行専用の積み立ても登場した(クルーズ客船「飛鳥2」)

テレビで出入国ラッシュを眺めて「来年の正月こそ海外で!」と誓った人もいるだろう。預けたお金が3%以上の「利回り」で増やせる旅行積立が選択肢の一つになるかもしれない。

「どっちにしようかな」。東京都在住の主婦(41)は、こうつぶやきながら旅行大手JTBの2種類のパンフレットに熱心に見入っている。一方は「JTBクルーズ積立」、もう一方は「JTBハワイ積立」という旅行積立のものだ。それぞれクルーズ旅行、ハワイ旅行に充てる旅行代金を年3.0%の単利で増やせる仕組みになっている。資金使途が限られているとはいえ、マイナス金利下で年3.0%はやはり目を引く。

JTBの一般的な旅行積立の利回りは年1.75%。「クルーズ」「ハワイ」は旅行代金が比較的高額なので、特別に高い利回りを設定しても顧客を早期に囲い込めるなら採算が合うもようで、2月末までの期間限定で扱う。

ANAセールスの「ANA旅行積立ハワイ限定プラン」の利回りも年3.8%と高い。30万円以上、1万円単位で最長2年間預けられる。同社は一般的な旅行積立でも当初1年の利回りが3.0%と高めだが、ハワイ限定プランはこれをさらに上回る。

■マイルやポイントもたまる

インターネットで申し込めばANAカードでクレジットカード払いできるため、利回りのほかにANAのマイレージがたまるメリットがある。JCBカード会員のみが申し込めるJCBトラベルの旅行積立はJCBカード払いのためカードのポイントもたまる。口座振替のみのJTBにはない特長といえる。

各社とも積立方式は一時払い、月払いから選べる。JTBとANAセールスは年利換算なので一時払いのほうがお金が増えやすい。例えばJTBで1年間かけて30万円を積み立てる場合、一時払い方式なら30万9000円になる。一方、月2万5000円ずつ12回払いで元本を少しずつ増やす方式でも30万4875円になる。

一方、JCBトラベルは年利ではなく積立金額に一定割合を上乗せする方式のため、月払いでも一時払いと同じだけ旅行資金が増やせる。初回申し込みの利回りは3.0%に設定している。

「利回り」3%以上の旅行積立の発売が相次いでいる

ただし、旅行積立に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは「利回りだけではなく、満期後にどんな旅行代金に充てられるのか、よく見極めておきたい」と助言する。

旅行積立の対象となる旅行商品は旅行会社やプランによってまちまちだ。ハワイ限定積立で比較すると、JTBは同社企画のパック旅行だけでなくJTB店舗が扱う他社のパック旅行も対象。一方、ANAセールスは同社のパック旅行に限られる。

JCBトラベルは30社以上のパック旅行に幅広く使える半面、JTBやANAセールスが対象にしている国際航空券の代金には充てられない。

また旅行積立は途中で積み立てをやめても原則、現金ではなく旅行券や専用カードで返してもらうことになる。今回取り上げた旅行積立の旅行券などはいずれも5年の有効期限がある。旅行商品とその代金の目安を頭に入れて契約しないと、せっかく増やした旅行代金を使い残してしまうかもしれない。

■「低価格を最も重視する人には向かない」

畠中さんは「低価格を最も重視する人には向かない」とも指摘。格安航空会社(LCC)や格安の宿泊プランを自分で調べて予約する人にとっては、使途が主にパック旅行代金に限られる旅行積立は使い勝手がよくないからだ。

一方、「幼児連れの海外旅行だから、安心できるパック旅行から選びたい」という人には旅行積立は向いている。3.0%以上という「利回り」を最大限に生かすために、いつ、どこへ、だれと旅行するのか、予算はどのくらいか、といった計画を整理したうえでニーズに合った旅行積立を選びたい。

(堀大介)

[NIKKEIプラス1 2018年1月6日付]

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