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カード各社、お得情報競う 有名店の直前空席販売など AI活用で会員ごとのお薦めも

2018/1/7

PIXTA

 特定のクレジットカードを持っているだけで、普通は手に入りにくいお得な情報を教えてくれるサービスがあると聞きました。どんな内容なのでしょう。

◇  ◇  ◇

 クレジットカード各社の会員向けサービスといえばポイントの付与率を高めたり、空港ラウンジなどの利用権を提供したりするものが多かった。最近では「情報」に着眼した新しいサービスが増えつつある。

 ダイナースクラブカードは8月、会員向けに有名飲食店で出た直前キャンセルの空席情報をLINEで知らせるサービス「ごひいき予約」を始めた。対象店は日本料理「龍吟」、中華料理「茶禅華」など東阪を中心に約45店(12月下旬時点)で、「通常は予約が取りにくい名店ぞろい」(カード運営会社の三井住友トラストクラブ)という。

 各店の空席を三井住友トラストクラブがいったん買い取り、会員に再販する。会員は予約時に同カードで決済も済ませる仕組みで、店での代金支払いは原則不要だ。開始以来、約200のキャンセルが発生し、「そのほぼ100%で再販が成立した」(同)。

 一方、三井住友カードは2016年から手掛ける特典提供店の紹介サイト「ココイコ!」で、11月から会員個人ごとに厳選した情報発信を始めた。

 このサイトは同社のカード会員が利用でき、関心のある飲食店や小売店を選んで登録しておき、一定期間内に来店して対象カードで支払うとポイントなどが増える。例えば18年1月1日~15日に利用すれば、サービスを使わないときの13倍のポイントがつく。

 11月からはカード利用実績や居住地などを分析し、会員がこのサイトに入ると個人ごとにお薦めの店を自動表示するようにした。「対象店が2500を超え、自分では目当ての店を探しにくくなった」(三井住友カード)ことに対応した。

 18年にはAI(人工知能)も活用して表示情報の精度をさらに上げる。「潜在需要を読み取り、最適な情報を紹介するようにしたい」(同)という。

 クレディセゾンもお薦め情報の自動発信を進める。12月、セゾンカード会員に対して保有ポイント残高に応じて、プログラムが自動チャット方式でお薦めのポイント利用法を紹介するサービスを始めた。

 これまで、自動チャットは利用明細などの問い合わせに対応していたが、「今後は回答するだけでなく、こちらから『話しかける』ことを目指す」(クレディセゾン)。現在は人間が用意した選択肢を会員情報に基づいて選ぶ形だが、今後はAIの学習効果で紹介情報を変えていく予定だ。

 クレジットカード会社ではポイント付与を増やすような単純なサービスでは差異化が難しくなっていることもあり、今後は保有情報をフル活用し、ユニークな会員サービスを打ち出す動きがさらに増えていきそうだ。

[日本経済新聞朝刊2017年12月31日付]

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