個人投資家の6割超、運用成績プラスに 17年の株高で企業業績が堅調、利益確定急ぎすぎた人も

2018/1/6
PIXTA
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北朝鮮情勢などの地政学リスクが意識されつつも、堅調な企業業績を背景に日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新するなど株式市場が活況を呈した2017年。個人投資家の6割超が運用成績でプラスだったようだ。読者アンケートで投資家の運用方針や成績を聞き、この1年を振り返った。

「17年は世界の市場環境が良くできすぎだった。この運用成績を基準にしないよう自分を戒めたい」。日本株の投資歴が20年になる大阪府の会社員Kさん(46)はこう語る。今年は日本たばこ産業(JT)や三菱重工業、ヤマトホールディングス、NTTドコモなど大型株を中心に投資したところ、全体で10%程度、資産を増やした。

16年までは運用資産の5割を日本株、残りの5割を国内外の株式や債券のインデックス投資信託に振り向けていたが、日本企業が18年3月期の業績予想を相次いで上方修正するニュースを見て、日本株の比率を6割まで増やした。「新たに買った銘柄が軒並み値上がりした」という。

17年の株式市場は世界景気の拡大と金融緩和が続くなか、日経平均株価が16年末から約19%上昇した(グラフA)。上期は米トランプ政権の混乱や北朝鮮情勢への不安が高まり上値が重い展開だったが、6月2日に2万円を突破。秋口から本格的な上昇基調が始まり、10月には16営業日続伸を記録した。

性急な利益確定も

日経生活モニターに登録した読者に12月上旬にかけてアンケート調査をしたところ(回答者691人)、運用資産全体で17年に成績がプラスとなった人の比率は61%(グラフB)。16年(43%)、15年(54%)を上回った。最も多かったのは「10%未満のプラス」(26%)だが、「プラスマイナスゼロ」という人も25%いた。マイナスだった人は8%にとどまった。

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