マイナンバーの現状は? 預貯金口座とひも付け始まる18年1月から任意で。行政サービス検索も

預貯金については調査・名寄せ以外の目的で番号を使うことは禁止されており、現状の仕組みでも調査や名寄せは可能だ。それでも番号の提供には抵抗感が根強い。野村総合研究所の梅屋真一郎・制度戦略研究室長は「政府や金融機関には丁寧な説明が求められそうだ」と指摘する。

証券口座ではすでに番号の提供は義務化され、口座開設時などに求められる。古くに口座を開いた人を含め、すべての口座で番号登録を終えるのが政府の計画だ。

17年にはマイナンバーカードの個人認証機能を使ったサービスが始まった。一つが同11月に本格稼働した「マイナポータル」。自分の番号がどう使われているかを照会したり、行政サービスの利用を申請したりするサイトだ。

一部の自治体で申請が可能になっているのが子育て支援の分野(図B)。保育施設の利用や児童手当の受給などに関する手続きが可能だ。平日に役所を訪れて手続きせずにすむ。利用可能なサービスを検索する機能もある。

自治体ポイントに

もう一つが9月に始まった「自治体ポイント制度」(図C)。マイナンバーカードをポイントカード代わりに使い、加盟する自治体がそれぞれ独自に運営するポイントと連携する仕組みだ。

利用者は手持ちのクレジットカード利用などでためたポイントやマイレージを、任意の自治体のポイントに振り替えられる。ポイントは地元商店街・施設で使える券に交換したり、通販サイト「めいぶつチョイス」(運営は東京・目黒のトラストバンク)での買い物に使ったりする。

両サービスとも初期設定の手続きは複雑。マイナンバーカードから情報を読み取るカードリーダーが必要になるなどハードルがある。大和総研金融調査部の吉井一洋・制度調査担当部長は「現状では実際に使ってみないとどんなサービスを受けられるのか具体的に分からない」と指摘する。カード普及には課題が多い。

(藤井良憲)

[日本経済新聞朝刊2017年12月31日付]

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