出世ナビ

ビジネス英語・今日の一場面

誤用率は80%? 相手が血相を変えるjustの使い方 デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(1)just

2018/1/11

 「ビジネス英語・今週の一場面」は今回から新シリーズがスタートします。言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。第1回は、just の使い方。ほんのちょっとした違いが誤解を生んでしまうようです。

◇  ◇  ◇

 なかなか打ち合わせ時間に現れないジョージ。普段遅刻などしないのに、ちょっと心配になったナンシー。日本人スタッフのオサムも気をもんでいます。「電話してみようかしら?」、ナンシーのひと言に「うん、そうしてみてよ」と気軽に答えたオサムにナンシーの顔色が変わります。

 それはこんな会話でした。

Nancy: Maybe I'll call George and change the meeting time.
Osamu: Just you try.
Nancy: What?! But that's what you told me to do!
Osamu: Um....???

 日本語に訳してみると、こうなります。

ナンシー:ジョージに電話して打ち合わせの時間を変えてもらおうかな。
オサム:やれるものなら、やってみろ
ナンシー:何ですって?! あなたがそうしろって言ったんじゃないの!
オサム:うーん……???

 訳してみれば一目瞭然。顔色が変わって当然ですね。この場合、Just you try. が実は問題だったのです。Just you try. は「やれるものなら、やってみろよ」というけんか腰の表現。穏やかにすませるわけにはいきません。

 では、どう言えばよかったのでしょう?

Nancy: Maybe I'll call George and change the meeting time.
Osamu: Just try.
Nancy: Okay, I'll let you know what happens.
Osamu: Thanks.

ナンシー:ジョージに電話して打ち合わせの時間を変えてもらおうかな。
オサム:とにかくやってみてよ
ナンシー:分かったわ。どうなったか伝えるわね。
オサム:ありがとう。

 Just you try ではなく、Just try.がこの場合の正解。just(副詞)には「強調」の意味があり、この場合であれば「とにかく/いいから/黙って」の意味があります。It's not time to complain. Just finish it. 「不平を言っている場合ではないわ。とにかく終わらせてよ」

 <Just + (be) 動詞>は、「(色々言いたいこともあるでしょうけど)とにかく、黙って~しなさい」という場面で使えます。Just don't. のように否定であれば「とにかく~しないで、止めておいて」の意味になります。

 justは「強調したい語」の前に使うのが原則です。

 またjust は「正しい、正当な、公正な」など「形容詞」でも使われます。

■この際おさえておきたい justの使い方

Just a second. / Just a minute. 少しだけ待ってください。

* just:(少し)だけ

*Jane came back to the office just after 8:00 that night. ジェーンはその夜8時少し過ぎたころオフィスに戻ってきました。

*It's just Dave that came in time. 間に合ったのはデイブだけです。

Our office is just around the corner from the museum. 私達の事務所は美術館の角を曲がったところです。

*just around the corner:ちょうど角を曲がったところまで、すなわち「もうすぐ、間近に、まもなく」の意味。この例文では場所を表していますが、時を表すこともできます。

*Summer vacation is just around the corner. 夏休みはもうすぐだ。

I just did what I had to. やるべきことをやっただけです。

*この場合のjust は「ただ単に…」の意味。

*He's just a friend. 彼は単なる友人です。

*I just like this company. ただこの会社が好きなだけです。

He'll do things, just like that. 彼はするんです、そういうことを平気で。

*just like that:突然、何の前触れもなく、やすやすと

*I gave him the money, and just like that, he disappeared. 彼にお金をあげたら、さっさと消えてしまいました。

Let's try to finish this project on Thursday, just to be safe.

*この場合のjust は「ただ、単に」の意味。Just to be safe は、ただ安全であるために、すなわち「念のために」。Just in case でも、同じ意味を表すことができます。

Sally said she sold 1,000 units, but I think that was just an exaggeration. サリーは1000個売ったって言っているけど、ただの誇張だわ。

*just an exaggeration:ただ誇張しているだけのこと、大げさにいっているだけのこと

*He just wanted you to join us. 彼はただ君に一緒に参加してほしかっただけだよ。

I just finished the proposal. ちょうど企画書を書き終わったところです。

*この場合のjust は「ちょうど/まさに~したばかり、~したところ)」

*We just started. ちょうど始めたところです。

*This is just the beginning. まさに始まったばかリです、ほんの序の口です。

Our project ended in failure just as I expected. 私たちのプロジェクトは案の定失敗しました。

*just as:まさに/ちょうど~のように: 私がまさに予想した通りに、すなわち「案の定」の意味

Mathew had a just reason for stopping production. マシューには生産を止める正当な理由がありました。

*この場合のjust は「形容詞」。「(人や行為などが)正しい、公正な」

*Sally thought she was better than everyone else, but she got her just reward. サリーは自分が他のだれよりも優れていると思っていましたが、それ相応の報酬を得ただけでした。

*just は「(報酬などが)正当な、相応な、当然な」の意味の形容詞。

 この場合であれば、「今まで自分がしてきたことに対して相応な対価を得た」すなわち「自業自得であった」の意味になります。サリーは自分を買いかぶっていたわけです。

:D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は1月18日の予定です。

デイビッド・セイン David Thayne
 米国出身、20数年前に来日。 翻訳、通訳、執筆、英語学校経営など活動は多岐にわたる。企業や学校の人気セミナー講師。英語関連の出版物の企画・編集を手掛けるAtoZ(http://www.atozenglish.jp)・AtoZ 英語学校代表。

出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL