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次世代の新幹線N700S 細かすぎる5つの変更点

日経トレンディネット

2018/1/10

もう一つが、JR東海が推し進める海外への輸出だ。台湾高速鉄道で走っているのは700系がベースの車両。この置き換え需要が見込めるほか、北米などでもプロジェクトの検討が進んでいる。いずれも16両編成では輸送力過剰なので、短編成化が容易なことは武器になる。

台湾高速鉄道の700T型も700系がベース。12両編成だ

■ポイント5:全席にコンセントを装備

客室の実物大のモックアップも公開された。工場の一角に設置された「部屋」だが、中に入るとまるで新幹線に乗っているかのようだ。

まず体験したのはグリーン車。N700系と大きく異なるのは、間接照明になった点。指向性が強いLED照明を採用するため、室内を均一に照らすには間接照明のほうが優れているためだ。

次に目につくのが、窓側の壁面パネルが荷棚と一体化された点。前後の席との間に柱のようなふくらみを作り、少しでも個室感を出そうという狙いがある。

車内テロップは一見現在のフルカラーLEDと同じように見えたが、実は液晶画面。画面サイズも従来より50%大きくなっているという。何を表示させるかは未定とのことだが、文字だけでなく映像が流れるようならイメージは大きく変わりそうだ。

座席も見た目はさほど変わらないが、実はリクライニング機構が大きく変わる。N700系ではリクライニングすると腰の部分が沈み込むゆりかごのような「シンクロナイズド・コンフォートシート」を採用。背もたれを倒した角度よりも深いリクライニング感が得られるのが特徴だった。ただ座面の奥側だけが沈み込むため、足が持ち上げられる格好になる。足が浮くとやや疲れるという声もあったという。

くるぶしを中心に回転させることで、足の浮き上がりを防いでいる

そこでN700Sでは、リクライニングの回転中心がくるぶしに来るように変更。具体的には座面全体が沈み込むようにしている。地味だが、座ってみると違いが分かる。

次に普通車。こちらもLED間接照明、液晶画面による車内テロップなのはグリーン車と同じ。

車内テロップは液晶画面に。号車番号と「自由席」「指定席」の表示もテロップ内に取り込むことで、1.5倍の大きさに拡大されている

最大の特徴は、全席にコンセントが備わる点。これまでは窓側と車両の端にしかなく、争奪戦になっていた。これが解消されるのは大きい。コンセントは肘掛けに設置される。座るとコンセントが見えず、やや使いにくい気もする。しかし理由を聞いて納得。前席の下に設置すると、人が出入りするときに足にケーブルを引っかかることがある。これを避けたかったのだという。確かにそのような経験は身に覚えがある。

全席にコンセントが付く。位置は肘掛けの先端部分

もう一つ、見ただけでは気づかないが、普通車のシートも「ゆりかご化」。ただこちらは従来通りの腰の部分が沈み込むタイプで、グリーン車とは差がある。

以上のように、あっと驚くような目新しさはないが、地味に改良が加えられているN700S。N700系によって700系が淘汰されるのが19年度。今度はそのN700系を、N700Sが置き換えていくことになる。

(日経トレンディ 佐藤嘉彦)

[日経トレンディネット 2017年11月20日付の記事を再構成]

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