人気のコンパクト財布 カードも紙幣もしっかり収納
新年に買いたい、最新人気ビジネスアイテム(上)
新しい一年の始まりを迎え、新たに財布を買い替えたいという人も多いのでは? そこで今回は、注目度が上がっているコンパクト財布を紹介する。
ポケットサイズで普段使いに最適
ここ数年、財布はラウンドジップ長財布が人気No.1だった。しかし2016年あたりから、コンパクトな財布が目立つようになってきた。コインケースとは異なり、紙幣もカードも収納できて、通常の2つ折り財布よりも薄く小さいタイプが増えているのだ。
「女性用で小さいバッグが流行し、それに合わせたコンパクトな財布が出てきたのがきっかけだったように思います」と話すのは、自社工房で革小物を手がける池之端銀革店の片桐啓佑氏。
長財布は収納力は高いが、ポケットに入れるには大きい。その点、コンパクト財布はオールインワンで、しかも携帯性が高い。最近は電子マネーで支払いを済ます人も多いため、普段持ち歩くならポケットサイズのほうが使い勝手がいい。そう考える人たちから支持され、現在、財布のトレンドとして注目されている。
「もともと当店の一番人気財布は、お札ジャスト幅でスリムなミドルウォレットだったので、コンパクトの需要は数年前からあったと思います。このミドルウォレットと、そのほかの財布の売上比率はほぼ1対1でしたが、今回当店で出した新商品のコンパクトウォレットの売れ行きは、それに迫る勢いです」(片桐氏)
コンパクト財布は男女問わず好評。男性にはセカンド財布として長財布と2個持ちする人も多いという。
「女性は流行のミニバッグに合わせて、男性の場合はメイン財布とは別に、職場からランチに出る際や旅行用のセカンドウォレットとしての用途も多いようです。もちろん手ぶら派には大好評です」(片桐氏)
そこで今回は、札入れ・小銭入れ・カード収納を備えたコンパクト財布の注目作を3つ紹介する。オールインワンなのでメイン財布としても機能するし、長財布と併用したセカンド財布としても活躍するだろう。電子マネーが普及した今、まさに狙い目の財布といえる。
カードを11枚も収納可能
池之端銀革店のオリジナルブランド、クランプのコンパクト財布。一般的なカードケースとほぼ同じサイズながらオールインワンで、カードを収納しても厚みがほとんど変わらないのが最大の特徴だ。
財布を開くと、内側にカードポケットが上下2段あらわれる。上段のカードポケットは仕切りを作らず、まとめて入れる構造にすることで厚みを抑えながら、プラスチック製のカードを9枚も収納可能。下段のカードポケットにも2枚まで入れられ、計11枚ものカードを収納できるのだ。
コインポケットは財布の外装(背面)にあるため使いやすい。欧米でウエーターが使うギャルソン財布に見られる4辺が大きく開く構造なので、見た目以上に収納力があり、素早く小銭を出し入れできる。紙幣もたたまずに札入れに収納可能。イタリア産のシュリンクレザーを使用し、使い始めからやわらかく手なじみがいいのも特徴だ。
「2017年11月下旬に発売したのですが、直後にWebメディアに掲載されて即完売。その後、少量入荷するたびに1~2日で完売しており、現在も多数のお客様に再入荷をお待ちいただいている状況です。男女や年齢を問わず、さまざまなお客様から支持されています。特にカードが多い方に、とても好評です」(片桐氏)
パスケースのような極薄設計
ラルコバレーノのコンパクト財布はパスケースのように極薄で、スーツの内ポケットやシャツの胸ポケットにも入れられるのが特徴。外装の両面に、それぞれカードポケットとコインポケットを配し、ファスナー側のフリーポケットに紙幣を収納する作りになっている。
紙幣は2つ折りにして、奥まで差し込めば落ちる心配もない。このフリーポケットは2辺が開いているので紙幣を出し入れしやすい。2カ所あるのでもう一方は領収証やカードを分けて入れたりと、極薄設計にも関わらず使い勝手に優れている。
片マチのコインポケットには、YKKの高級ファスナー「エクセラ」を使用しているため、小さいながら開閉がスムーズ。フランスの老舗タンナー、アルランの型押しゴートレザーを使い、イタリアの革職人が仕立てた上品なルックスも魅力だ。
「発売から約2年近くたちますが、2017年秋冬の売り上げは前年比約3倍。カラーバリエーションが豊富な上に、コンパクトなので、男女問わず、ビジネスパーソンを中心に支持されています。ギフト需要も高く、ご夫婦で色違いをご購入いただくケースも多いです」(ラルコバレーノを販売するエンメ営業 葦田美沙氏)
世界最小クラスのジップウォレット
2017年秋冬シーズンにデビューしたブランド、イッチを代表するコンパクト財布。1万円札も折りたたまず入る最小サイズを目指し、ミニマルな印象を崩すことなく、いかに負荷なくカードやコインなどを収納できるかに挑戦したという。
この手のジップ式コンパクト財布は、2辺のみが開くL字構造のものが多いが、本モデルは2つ折り構造になっているのが特徴。サイズはコンパクトだが、2つ折りウォレットの使いやすさと収納性を備えているというわけだ。
内側にカードポケットとコインポケットがあり、コインポケットはクランプのコンパクト財布と同じように大きく開く。ひと目で小銭を見分けられ取り出しやすく大容量と、抜群の使い勝手を誇る。
ファスナーはYKKのエクセラ、革はペリンガー社のシュランケンカーフと、部材にもこだわる。発色もよく、ラフに使えるコンパクト財布ながら高級素材の魅力も存分に味わえる。
「2017年の秋冬はほぼ完売しました。2018春夏シーズンも、12月販売のお店が多いため、ギフト需要もあり、売れ行きは非常に好調です。世間的にもコンパクトな財布が流行していることもあって、前季発注数の3倍近くの注文をいただいております。お客様はファッション業界の方が多く、店頭では女性からもご好評いただいております」(ITTIデザイナー 青木渉氏)
上 カードも小銭も紙幣もきちんと入るコンパクト財布3選
中 シュリンクレザーの長財布 傷が目立たず長く使える
下 収納付きiPhoneケース カード6枚、IDケース合体も
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。