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ミッドナイト・サングラス。

by Takanori Nakamura Volume 8

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NIKKEI STYLE

「真夜中のサングラス」と聞いて、どんな人物像を連想なさるだろうか? 匿名性を望むワケありの人なのか、あるいは"お忍び"というエクスキューズを借りて目立ちたい自称有名人なのか。いずれにせよ、白黒はっきりしない曖昧なイメージを持たれるかもしれない。

文=中村孝則 写真=藤田一浩 スタイリング=石川英治

(9)男の鉱物、女のジュエル。>>
<<(7)カメラの温故知新。

ところが、白夜の北極圏の旅人にとって、サングラスは真夜中であっても、絶対に忘れてはならない必需品である。それは北欧の人びとの常識だ。白夜とは66.33度の北極圏(南極圏)より高緯度で、一日中まったく太陽が沈まない現象をいう。

私がかつて取材したノルウェーのトロムソは、北緯69度。6月の約1カ月間は、太陽が沈まない。白夜のトロムソは時間帯にもよるが、夜間の太陽は地平線や水平線ギリギリを、時計回りに移動する。向く方角によっては太陽がモロに視線に入るため、サングラスなしではまぶしくて仕方がないのだ。

白夜に限らず、緯度の高い北欧では年間を通じて、太陽が低く差し込むため、クルマの運転にも欠かせない。友人のノルウェー人たちも、サングラスには結構うるさかった。

■「白夜」はロシアからやって来た

そもそも日本は、かつて領土だった占守島(*)ですら北緯50度だから、白夜という現象も白夜という言葉もなかった。では白夜はどこから来たか。ドストエフスキーの有名な小説に「白夜」があるように、白夜という言葉はロシア語のベーラヤ・ノーチ(白い夜)を直訳したものだ。

ちなみに英語で白夜は、ミッドナイト・サン。ホワイト・ナイトでは「眠れない夜」という意味だから要注意である。

さて、読者の皆様は白夜を「はくや」とお読みになったか、それとも「びゃくや」とお読みだろうか? おそらく、呉音の「びゃくや」が多数派だと思うが、本来は漢音の「はくや」が正しい、と評論家の呉智英は著書「言葉の煎じ薬」(双葉社刊)で指摘する。漢字は仏教用語以外、原則的に呉音ではなくて漢音を使うからだ。

白衣(びゃくえ)観音と白衣(はくい)の天使では、気高さという点では似ているものの、読み方の原則が違うのである。

以前、ノルウェー取材でNHKに出演したとき、局では原則として「びゃくや」を優先して使うと指示された。昭和40年代を境に「びゃくや」の方が国民の主流派になったからだという。

■「びゃくや」はモリシゲとともに

NHK放送文化研究所によると、昭和40年代に登場した森繁久弥の「知床旅情」で「はるか国後に白夜(びゃくや)は明ける」と歌われたことが、「びゃくや」が広まる大きな引き金になった、とその理由を説明する。もっとも、北緯44度の国後島に、白夜はないのだけれど。

ちなみに、白夜の反対は黒夜、ではなく極夜である。こちらはPolar night が語源である。極夜の北極圏も体験したことがあるが、真っ暗なわけでもない。太陽が昇らなくても、光が微細に空を染め移ろい、なかなか美しいものだ。

光の変化といえば最近は目的や機能に応じレンズの色を選ぶのが、サングラスのトレンドになりつつある。色眼鏡を外して改めて眺めると、サングラスの意外な使い勝手が見えてこないだろうか。

なかむら・たかのり
 コラムニスト。ファッションからカルチャー、旅や食をテーマに、雑誌やテレビで活躍中。近著に広見護との共著「ザ・シガーライフ」(ヒロミエンタープライズ)など。

*占守島(シュムシュ島) 千島列島北東端の島。太平洋戦争で日本のポツダム宣言受諾後に日ソ両軍が激戦を交わした

[日経回廊 8 2016年7月発行号の記事を再構成]

(9)男の鉱物、女のジュエル。>>
<<(7)カメラの温故知新。

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