「できる男」にはスタンダードがある。「見せたい自分」「なりたい自分」を表現するためには、おのずとルール、コードを踏まえる必要がある。いかに自分のスタンダードを形づくるか。エグゼクティブ向けに「ふさわしい存在感」の演出方法をアドバイスしているプレゼンスコンサルタントの丸山ゆ利絵さんが連載で解説する。
「スーツが似合う男性」はすてきです。そして「タキシードが似合う男性」はさらにすてきです。なぜなら、タキシードが様になっている人は「自信」「上質」「品格」「経験」「ウイット」といった、「できる人」が持つ要素を感じさせ、ビジネスマンとしても、女性から見た男性像としても、ハイグレードなイメージだからです。ところが、「自分とは無縁の衣装」と最初から決め込む方が多いような気がします。また、いざ身につけると、どこか不自然で「借り物」になってしまう人も少なくないようです。うまく着こなせば、それだけでハイグレードなイメージを演出してくれるタキシード。大人の男性なら、そろそろ着こなすことを考えてみませんか。
■構えずに楽しみたいタキシード
いきなりタキシードといわれても、自分には着る機会はないし――。そう思われる人がほとんどかもしれません。確かに、タキシードを着る場面としてイメージしやすいのは、セレブが集まるような豪華絢爛(けんらん)なパーティー、スターが登場する映画のプレミアとレッドカーペットなどでしょうか。確かに一般人とは無縁の世界に思えます。
しかし、欧米のビジネスマンにとって、タキシードを着用する場所や場面はもう少し身近なもの。生活の中で「ドレスアップを楽しむ」ことは、ごくごく自然なことなのです。例えば、高校生のうちからロングドレスの女性とともにタキシードで参加するダンスパーティーもありますし、質の高い演奏会やミュージカルの初日にはご年配の方もタキシードで出かけたりします。
それだけでなく、企業が催すお得意様との懇親パーティーなどでも、ドレスコードが「black tie(ブラックタイ=タキシード着用)」と指定されることがままあります。これは欧米だけでなく、香港やシンガポールでも珍しいことではありません。日本国内での普通のディナーでも、海外の方がホスト役ですと、日本人ゲストもごく当たり前に着られています。

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