2018/1/3

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東証1部上場銘柄で構成される配当込みTOPIXをベンチマークとすると、ジャスダックや東証マザーズ市場の銘柄を多く組み入れる中小型株ファンドは重なり度合いが小さいので、アクティブシェアは高くなる。東証1部上場の銘柄に投資するファンドでも少数に集中投資する場合は、重なり度合いが小さいのでアクティブシェアは高くなる。

このため、「SBI中小型割安成長株ファンド」や「インベスコ ジャパン成長株・夢ファンド」といった中小型株ファンドが上位に並んだ。これらのアクティブシェアは100%に近い。

中小型株ファンドではないが、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」の数値も92.5%と高い。同ファンドは東証1部の大型株も含んで、16という少数の銘柄に集中投資している。

100%近くでもリターンはまちまち

次に、30ファンドのアクティブシェアについて、直近1年のリターンとの関係(B)と、信託報酬との関係(C)をそれぞれ見た。

リターンについては、アクティブシェアが高いほど向上していることがわかる。大半のリターンが配当込みTOPIXを上回っており、アクティブ運用には一定の成果が認められたわけだ。

そのうえで、注意したいのはアクティブシェアが100%近くでもリターンはまちまちな点だ。数値が高いからといってリターンが必ず大きくなるわけではない。組み入れ銘柄を絞り込むことによるリスク増大の可能性もある。

信託報酬については、アクティブシェアが高いほど報酬も高い傾向がある。そうでないと、組み入れ銘柄の発掘に運用コストがかかるという理屈が成立しない。

一方で、「ひふみプラス」や「コモンズ30ファンド」のように同指標が90%近くでも報酬を1%程度に抑えているアクティブ型もある。両ファンドは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象になっている。信託報酬との関係を含め、アクティブシェアのデータは新年からの投信選びの参考にもなるだろう。

期待される情報開示の充実や自主公表

今回、アクティブシェアを算出するにあたって苦労したのがファンドの組み入れ銘柄情報がデータ加工しやすい形では開示されておらず、作業に手間取った点だ。今後は情報開示の充実とともに、アクティブシェアの自主的な公表に期待したい。「ひふみ投信」などは月次レポートで同指標を開示し始めている。こうした動きが広がれば、顧客本位の有益な情報になるだろう。