バブル絶頂期もボディコンは無縁 自立心育てた東女及川美紀・ポーラ取締役執行役員が語る(上)

当時は女子大生ブームで、女子大生はワンレン・ボディコンのような派手なイメージをもたれていましたが、東女の学生は、あまり化粧っけもなく、服装も地味で、分厚い教科書とノートを抱えて真面目に授業に出ているタイプが多かったようです。学生たちは自分の考えをしっかりともちながら、独立した個人として他人を尊重していました。物事に主体的に取り組み自分の意思で方向性を決めるという校風は私にはあっていたようです。

英米文学科に籍を置いた。

英米文学を専攻したのは、職業の選択肢として高校の英語の先生も考えていたからです。結局、先生にはなりませんでしたが、英米文学を専攻して正解だったと思っています。

東京都杉並区にある東京女子大学

授業は女性文学に関する授業を集中的にとりました。女性の書いた文学作品の中には、女性の自立に関する話がたくさん出てきます。例えば、米国の公民権運動の中で黒人女性が自立していく話や、良妻賢母がビジネスウーマンに転身する話、男性に捨てられた女性が自我に目覚める話など、そもそも女性文学の主要なテーマは女性の自立にあります。

一番印象に残っているのは、4年生の時にとったカナダ文学のゼミ。先生は、カナダ人の年配の女性で、いつも素敵なスーツを着て颯爽(さっそう)としており、その先生に憧れてゼミに入ったようなものです。

ゼミでは、カナダの文学作品を1年かけて原書で読みました。それで出あったのが、日系カナダ人女性のジョイ・コガワが書いた自伝的小説「OBASAN」(邦題「失われた祖国)」です。

第二次世界大戦前にカナダに移住した日系移民の波乱万丈の人生を通し、戦争や人種差別といった逆境の中でも、じっと耐えて生きて行く女性の強さを描いた作品で、余りにも感動し、翻訳本も買って読みました。

その本は今も自宅の本棚に置いてあり、1年に1回は読み返します。私にとってバイブルのような本です。

振り返ってみれば、授業で学んだ数多くの女性文学作品に登場する女性たち、さらにはゼミの先生を含めた東女の多くの先生は、現代の働く女性のロールモデルだったような気がします。当時はそれをはっきりと意識していたわけではありませんが、彼女たちの生き方は、今の私に間違いなく大きな影響を与えています。

(ライター 猪瀬聖)

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