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日の丸「デジタル通貨」が始動 オリパラ舞台に普及へ みずほFG佐藤社長「Jコイン発行、中国アリペイとも接続」

2018/1/12 日本経済新聞 朝刊

みずほFGの佐藤康博社長は「クレジットカードより決済手数料を安くする」と語った 

 みずほフィナンシャルグループ(FG)はデジタル通貨「Jコイン」を2018年に発行する。同年3月までに実証実験を始める。スマートフォンでQRコードを読み取り、決済する仕組みを整える。コイン加盟店が負担する手数料は、クレジットカードより安く設定する。ほかのデジタル通貨や電子マネーと交換できるようにもし、東京五輪・パラリンピックが開かれる20年の普及を目指す。

 みずほFGの佐藤康博社長が日本経済新聞社のインタビューで、明らかにした。Jコインは円と常に同じ価値で交換し、利用者がスーパーや飲食店での支払いに使うことを想定している。

 実証実験は18年3月までに地域を絞り1~2カ所で実施する計画だ。佐藤氏は「加盟店や利用者へのメリットが分かれば、これでいこうというムードが出てくる」と期待感を示した。みずほは、Jコインをほかのメガバンクや地方銀行と共同で発行する計画を描いている。来年にも設立する発行会社には、他の金融機関から広く出資を募る方針を明らかにした。

 佐藤氏はそのうえで「大事なのはアリペイと接続できること」と強調した。中国ではモバイル決済サービス「支付宝(アリペイ)」が普及している。Jコインで小売店などがインバウンド(訪日外国人)の需要を取り込みやすくする。

 日本での現金を使わない決済手段としては、クレジットカード、電子決済の「Suica(スイカ)」や「アップルペイ」などが先行している。Jコインは後発になるため、佐藤氏は普及への対応として「加盟店の手数料をクレジットカードより低くする」と述べた。

 クレジットカードの場合、利用者が支払った金額の数%を飲食店など加盟店が負担している。Jコインの場合はこの手数料を低くすることで、加盟店の裾野を一気に広げていく。

 メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループが独自の「MUFGコイン」の開発を進めている。日銀や金融庁もデジタル通貨の乱立を防ぐよう求めているが、みずほ側が計画するように開始時から一本化できるかは現状では見通しにくい。各行が発行するデジタル通貨をJコインと交換できる仕組みを整え、利便性を積み上げていく可能性が高そうだ。

 みずほにとってはJコインが普及すれば、銀行の負担が軽くなるという思いがある。現金取り扱いのコストは金融界で2兆円との試算がある。佐藤氏はデジタル通貨の普及効果として「銀行界全体として、ATMの台数が減るなどものすごくコストダウンになる」と強調した。

 みずほFGは金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックに力を入れている。佐藤氏は人工知能(AI)を使った融資審査について、中小企業向けで18年に導入すると明らかにした。

[日本経済新聞朝刊2017年12月27日付を再構成]

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