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「本当に取れる?」妻に疑われた、県警初の男性育休

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警察官といえば、今も昔も子どもたちが将来なりたい職業の定番ですが、かつては長時間労働など、共働き育児が容易な働き方とは言えませんでした。しかし、時代の変化とともに警察官の仕事や環境も変わりつつあります。埼玉県警の男性警察官で初めて育休を取得した、川嶋雄介警部補にインタビューしました。

埼玉県警の「イクメンポリス」第1号

――川嶋さんは、埼玉県警察本部の広報課で勤務する「イクメンポリス」ですね。埼玉県警の男性警察官で初めて育休を取得したと聞いています。

そうですね。下の子どもが生まれた2015年に育児休業を2カ月取得しました。産後すぐは、配偶者の出産に伴って取得できる出産補助休暇や年休も活用したので、それも合わせると3カ月ほどお休みをいただきました。

――警察のようなある意味「お堅い」組織で、最初のケースになるのは勇気がいることだったと推察します。まず家族構成から教えてもらえますか。

埼玉県警察本部の総務部広報課、広報係の川嶋雄介です。階級は警部補(係長クラス)で、年は36歳。妻と、6歳と2歳の娘の4人家族です。妻は一般企業で勤めています。

――県警本部の広報課というと、どんな仕事をされているのでしょうか。

広報課はメディア対応や警察音楽隊、一般の意見や要望を聞く広聴業務など仕事は多岐にわたるのですが、私がいる広報係は主にイベントの企画、運営やホームページの管理などを担当しています。

第一子のときはほとんど育児参加できなかった

――奥様との結婚のなれそめからお聞きしていいですか。

警察の同期の紹介で知り合い、付き合って1年半くらいたった2009年に結婚しました。私がちょうど巡査部長に昇進して、浦和警察署に異動したくらいのころです。

妻は埼玉県内の一般企業に勤めていて、結婚してからも変わらずフルタイムで働いていました。そして2011年、震災のあった年に長女が生まれました。このころは本部の警務課にいて、震災対応その他で非常に忙しい時期でした。朝から晩まで本部にいて、繁忙期は日付が変わってからの帰宅。さらに土日も出勤するような、そんな状況でした。

――そうすると、上のお子さんのときは、あまり育児参加はできなかったのでは?

そうですね。ほとんど家におらず、長女の世話も家事もほとんどできませんでした。妻に任せっきりで、この時期は夫婦げんかもそれなりにしました。妻も初めての育児で不安が大きかったのに、ずっと一人きり。すごく悩んで、大変な思いをしたと後で言われましたね。

――奥様は仕事復帰されたんですか。

当初は長女が1歳になった時点で復帰予定だったのですが、保育園に入れなくて、育休を延長しました。長女が1歳2カ月のときに自転車で30分くらいの距離にある、やや遠めの保育園に入園できたので、そのタイミングで復帰しました。

そして2015年、次女が誕生しました。そのときは現在と同じ本部の広報課におり、そこで育休を実質3カ月取りました。

――第一子のときは取らなかった育休を、第二子では取得したのはなぜですか。

第二子の妊娠が分かったとき、妻の出産直後の体を休めるべき時期に、妻以外に長女の面倒を見る人間が必要だ、と思ったんです。しかし、妻の実母は既に他界しており、私の母は遠方で働いていました。実家の援助は期待できる状況ではなかったんです。であれば、私が育休を取るほかないなと。

また、長女の出産直後も私がほとんど家にいなくて、ものすごく大変だったということは妻から言われていたので、赤ちゃんの世話に加え、長女の面倒まで妻だけに任せることは、とてもじゃないけど無理なんじゃないかと思いました。私自身、子どもの成長を間近で見てみたいという思いもありました。妻からも「一緒に子どもの成長を見ることができれば、子育てがもっと楽しくなる」と言われていましたし。

前例のない育休取得。周囲の反応は……

――しかし、それまで埼玉県警では男性警察官の育休取得は前例がなかったわけですよね。切り出すのは勇気が必要だったのでは?

そうですね。でも、私が希望を出したとき、上司や周りの人たちは、驚きはあったと思いますが、反対されるようなことはありませんでした。逆に、事情を話したら取得を勧めてくれたくらいです。それまで育休取得者がいなかったとはいえ、周囲の理解はすごくある状況だったので、とても助かりました。

――それはやっぱり、共働き世帯が増えてきて、社会的にも男性の家事育児への参加が求められるようになったことの影響でしょうか。

そうかもしれませんね。制度自体は以前からあったのだと思いますが、世の中の風潮が変わってきたことによって、私も組織も背中を押されたという面はあると思います。

――育休を取ることを奥様に伝えたときの反応はどうだったんですか。

最初は「本当に取れるの?」「取って大丈夫なの?」と、半信半疑でしたね(苦笑)。でも、「取ってもらえるならうれしい」と喜んでくれました。

――実際に育休を取ってみて、いかがでしたか。

とても有意義な経験でした。今、育休取得を悩んでいる人がいたら、ぜひ取ってほしいと思いますね。

育休中は、家事全般を私がこなしました。妻には赤ちゃんの世話に集中してもらって、長女の世話や保育園の送迎、料理や洗濯などすべてやりました。次女の寝かしつけもやりましたが、私は一度寝ちゃうともう起きないので、夜中の授乳はお任せしてましたね。

大変でしたが、充実した日々でした。色々分かりましたね。クックパッドがあれば料理はなんとかなるとか。毎日洗濯するようになって、晴れの日ってありがたかったんだなと思いました。あとは、長女と過ごす時間をしっかり取れたこともよかったです。赤ちゃんのころからあまり構ってあげられていなかったので、2人だけで出かけたりすることができて、楽しかったですね。ママがどうしても赤ちゃんにかかりきりになってしまうのですが、その寂しさを少しは軽減させてあげられたかな、と思います。

次女のことでいうと、自分で握りこぶしを握って、不思議そうにじっと見つめているのが印象的でした。そのうちしゃぶり始めたのですが、そういう様子をじっくり眺めることは長女のときにはできなかったことなので、うれしかったです。

――奥さんは育休期間中について、何かおっしゃっていましたか。

一人じゃないということがありがたかったと言っていました。長女のときは、初めての育児なのにすべて一人でやっていたので、本当に心細かったみたいで。体もそうですが、精神的な面で助けになれたようで、よかったです。

――その後育休が明けて、川嶋さんも通常勤務に戻られたわけですね。奥様ももう職場復帰されているんですか。

はい。2017年の春、次女が1歳半くらいのタイミングで復帰しました。現在は午前9時から16時半までの時短勤務をしています。長女も最初は遠い保育園でしたが、転園して今は姉妹そろって家から自転車で5分くらいの距離の保育園に通っています。

――現在の基本的な1日のスケジュールを教えてもらえますか。

朝は6時ごろに起床して、朝の準備や子どもの食事、洗濯などは私と妻の2人でやるという感じですね。保育園の送り迎えは基本的に妻で、私は妻が行けないときのサポート要員です。大体18時ごろまで勤務して、18時半くらいに帰宅。夕食やお風呂、子どもと遊んだりして、22時までに寝るという感じです。基本的にはそのまま子どもと一緒に寝ますが、家事とかが残っていたときは後で起き出したりしますね。

――家事育児の分担的にはどんな感じですか。

それはやっぱり、妻のほうが負担していると思います。子どもにとっても、やっぱり母親のほうが気持ちのうえでウエートは大きいのでしょう。寝かしつけや抱っこでも、「ママがいい」と言われることもありますから。まあ、そこで張り合っても仕方ないかなと思っています。

――ちなみに、川嶋さんの後、埼玉県警で育休を取得した方はいるのでしょうか。

いますね。私の同僚の男性職員も取りましたし、県警全体でも育休取得を促進しています。また、育休ではないですが、妻の出産の立ち会いなどで取得できる、3日間の「出産補助休暇」は対象職員の88.9%が、第二子が生まれたときに上の子どもの育児のために取得できる5日間の「育児参加休暇」は16.4%が取得しています。埼玉県警でも、ワークライフバランスに関する意識と意欲は年々高まってきていると思います。

(日経DUAL 田中裕康)

[日経DUAL 2017年11月22日付記事を再構成]

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