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それでも親子

女優・西尾まりさん 父母の働く姿に多くを学んだ

2017/12/29

1974年東京都生まれ。79年の大河ドラマ「草燃える」や「うちの子にかぎって…」「パパはニュースキャスター」で人気子役に。舞台「欲望という名の電車」出演中、1月に大阪公演。

 著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回は女優の西尾まりさんだ。

 ――3歳で子役デビュー。仕事を始めたきっかけは。

 「幼少期、きつ音がありました。親が医師に相談すると『子どもが大勢いる場所で楽しいことをやるといいかも』と言われ、たまたま近くにあった児童劇団へ。女優にとか、そういう気持ちは私も親も全くなかったです」

 ――いわゆるステージパパ、ステージママではない。

 「全然違いますね。実家はクリーニング店。両親共に働いていたので、仕事の現場への送り迎えや、オーディションに同行はしてくれましたけど。劇団のお稽古の帰り道、母とレストランで食事ができるのが楽しみでした」

 「子どもがテレビに出るのはうれしかったようです。VHSのビデオデッキは他の家庭よりも早く家にありました。お客さんから『娘さん、テレビに出ていたよ』とか言われると、父は『みんな見てるんだな』と喜んでいました」

 ――父親はどんな人?

 「客商売なので会話は上手。奥様がたの転がし方も上手だったと思いますけど、娘には甘い方だったかな。母が瞬間湯沸かし器でカッとなる方だったので、バランスをとっていたのか、小言程度。とにかく仕事で疲れていて、寝ている姿の印象が強いです」

 「釣りが好きで、仕事が遅く終わった後も、休日は夜中から出掛けていました。そんな時、母は幼児の私を、おむつと一緒に車に詰め込んでいました。寝かしつけがてらですね。小学生ぐらいまでは一緒に釣りをしたり、沢ガニをビールの缶に入れて空揚げにしたり。私も釣り好きです」

 ――母親はどんな人?

 「本当に変わっています。親子なのに『ごめんください』と言って電話を切るとか。他の役者さんに『いつもお世話になっています』と言えばいいところを『こんなくだらない娘をありがとうございます』とか」

 「娘が言うのも何ですが、きれいな人。NHKの大河ドラマの撮影に付き添った時に『女優になりませんか』と誘われたそうです。でも、さすがにそれはどうでしょう」

 ――自身も2児の母。両親の子育てから学んだことは。

 「言葉ではなく、働きながら子育てする姿に教えられた気がします。小学生の息子に『何でいつも家にいないの』と言われると『ご飯や電気、水道も全部、働いたお金のおかげなの』と話すのですが、私自身は親にそういうことを言われた記憶がありません。働いている親を見て、勝手にそう思い、育ってきたのかな。私も働いている姿を見せられればいいのかな、と思うようになりました」

 ――最近は舞台活動も多い。息子に見せたいですか。

 「そうですね。なかなか子どもが見られるような舞台に出ていなかったですが、この前初めて見に来てくれて。ちょっと照れくさそうでした」

[日本経済新聞夕刊2017年12月26日付]

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