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キャリアコラム

「劣等生」ニトリ会長、東大生に伝えたい思い

2018/1/1

11月9日、東京大学の本郷キャンパスで学生に語りかけるニトリホールディングス会長の似鳥昭雄氏(東京都文京区)

流通業の地位を向上させ、新たな「ロマンとビジョン」を育ててほしい――。ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄会長は毎年、東京大学で学生に向けた講義を開いている。テーマは「流通と経営戦略」。2017年に開いた7回の講義では、親交がある小売業の一流経営者たちも講師として参加した。一流の経営者たちが授業を通して学生たちに伝えたかったことは何なのだろうか。東大での授業を聞き、似鳥氏の思いに迫った。

■東大での講義、3年目に

「私は23歳で会社を始めた。2017年12月で50年になります。これから、大学生である皆さんが社会に出て40年、50年をどう生きていくのか。私の経験を参考にしてもらえたらうれしい」

似鳥氏は90分間の講義と60分の質疑応答で、ニトリを創業した1967年からの歴史、今のチェーンストアを取り巻く外部環境、自身のモットーである「ロマンとビジョン」まで、熱く語りかけた。似鳥氏が、この講義を通して伝えたかったのは、主に2つのことだという。

■「皆さんは東大生、私は劣等生」

1つは「事業を起こすにあたり、何が困難でどう乗り越えたか」だ。講師として招いたほかの経営者にも「失敗談を話してくれ」と頼んだという。30期連続で増収増益を続け、売上高が5000億円を突破して、家具小売りで国内最大手となったニトリHD。大企業を一代で築き上げるまでの道は、決して平たんではなかった。

「皆さんは東大生でしょう。私は劣等生でした。高校受験はすべて失敗し、夜学になんとか潜り込んだが、成績はいつもベストスリー。もちろん下から数えてです」

「大学ももちろん受からず、替え玉受験で合格できた。いつも裏の道ばかり行ったんです。詳しくは飲んだときにでもお話したい」

「就職した広告会社も半年でクビになった。(何もかもうまくいかず)死のうと思って始めたのが家具屋」

若いときの壮絶な経験をユーモアを交えて次々に披露し、教室には終始学生の笑い声が響いた。

創業後、商売がうまくいかず、あきらめかけたころに訪れた米国での見聞が、「劣等生」だった似鳥氏の人生を変えた。「日本にも住まいの豊かさを伝えたい」というロマンを抱いた似鳥氏は、夢に向かってひたすら走る日々を過ごすことになる。「ビジョンとは、100人中100人が無理だと思うことだ。努力してできるものなんてビジョンとはいわない。常に目標は100倍発想だ」という、失敗を乗り越えて築かれた独自の価値観は、学生の心を打ったようだ。

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