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キャリアコラム

破格の国産ワイン 造リ手は早大中退のシングルマザー

2018/1/6

ブドウ畑で息子を抱きかかえるキスヴィン・ワイナリーの斎藤まゆさん

 人気上昇中の日本ワイン。その中に1本1万5000円という型破りの値段のワインがある。手掛けるのは、キスヴィン(Kisvin)・ワイナリー(山梨県甲州市)の醸造家、斎藤まゆさん(37)。ワインが造りたくて、早稲田大学を中退し、海外で修業。帰国後、未婚の母として子育てしながら、世界レベルのワインを目指す。国内外の著名な評論家も注目する女性醸造家の、自由奔放な生き方を追った。

■新興醸造所なのに1本1万4000円

 東京・銀座の大型商業施設ギンザシックス内のワインショップ「いまでや銀座」で12月1日、キスヴィン・ワインの有料試飲会が開かれた。目玉は、白ワインの「シャルドネ レゼルヴ2016」と赤ワインの「ピノ・ノワール2015」。グラス1杯が2000円。通常の2~3倍の値段にもかかわらず、試飲カウンターは大勢のワイン愛好家でごった返した。

キスヴィン・ワインの一部

 ボトルはシャルドネが1本1万4000円、ピノ・ノワールが1万5000円と高級シャンパン並み。日本産のブドウで造る日本ワインの中にも、サントリーやメルシャンといった知名度のある大手ワイナリーの造るワインには、1万円を超える高級ワインもある。しかし、4年前に醸造を始めたばかりの小さなワイナリーのワインに、数千円以上の値段が付くことはまずない。

 価格高騰の一因は、世界のワイン界の第一人者ジェラール・バッセ氏の「つぶやき」だった。2017年、日本を訪れた際にキスヴィンを訪問したバッセ氏は、発売前のピノ・ノワールを試飲。すぐさまツイッターで、「才能豊かな醸造家が造ったこのワインは、ユニークでセンセーショナル」と発信した。Kisvinの名は瞬く間に世界中に知れ渡り、バッセ氏のもとには、欧州のソムリエなどから「英国でも買えるのか」といった問い合わせが相次いだ。

■最初に目指したのはお笑い芸人

 型破りのワインを造る斎藤さんは、これまでの人生も型破りで自由奔放だった。

 中学までは国内だったが、高校は日本の学校法人が米テネシー州に開いた在外日本人学校に進学。「反抗期で、海外に飛び出したかった」。家はけっして裕福ではなかったが、親は子供の興味やチャレンジ精神を大切にする教育方針だったという。

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