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おせち新定番 メーンは肉料理、おとそにハーブ

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NIKKEI STYLE

年の瀬が近づき「おせち料理」を用意しようと考えている人は多いだろう。ただし現代は、忙しい師走に手間ひまかけて正月料理をつくる余裕がある人はあまりいないかもしれない。そこで、おせちを百貨店やネットの取り寄せで用意したり、比較的手軽に作れる肉料理など2~3品だけにするのはどうだろう。お屠蘇(とそ)や現代風にハーブを使ったお酒を楽しめば、家族や友人との会話も弾みそうだ。

おせちのトレンド、肉料理が人気に

和食は2013年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。日本がユネスコに出した提案書では「正月における和食」を重視している。おせち料理やおとそ(屠蘇)を紹介し、地域ごとに特色があると強調した。おせちを食べることは、日本食を知ることの第一歩といっていいかもしれない。

おせちは元来、季節の変わり目である節句に「年神様」にお供えする料理だったという。年に複数回ある節句のうち、新年がもっとも重要だとして正月に特化するようになったそうだ。

おせちは時代にあわせて変化している。最近のおせちは肉料理を入れるのがトレンドだ。東武百貨店によると、おせちの予約は12月中旬までで前年比5%増とまずまずの人気。2万円台が主力で、なかでも和洋折衷のセットを注文する人が多いという。

伝統的な重箱に詰めたおせちは、段数によって中身が分けてあった。一の重はカマボコやきんとんなどの口取り、二の重はブリの照り焼きなど焼き物、三の重は高野豆腐など煮物、四の重はなますなど酢の物、といった具合だ。現在は「1~2人前のおせち需要も拡大している」(東武百貨店)といい、一段のみに一の重から四の重までの代表的な料理を詰め合わせた商品もある。

料理レシピサイトのクックパッドによると、おせちメニューの新定番はローストビーフだ。同社は20億件を超えるレシピ検索データを蓄積している。これをもとに正月前後に検索頻度が急上昇するキーワード上位15を調べたところ、1位「おせち」、2位「雑煮」、そのほかに「数の子」や「だて巻き」など伝統的な食材や料理がずらりと並ぶなか、ローストビーフが14位にランクインした。薄くて食べやすく、和風の味付けにも合うことが魅力のようだ。

和食文化国民会議によると、おせちは「正月三が日は料理をしない」という意味もあって、濃い味付けで保存がきくものを大量に用意するという。良い意味で正月に休むため、先人たちが工夫した結果だろう。食材を火であぶったりすることを指す「ロースト」も保存の一手段だ。牛肉以外でも応用の幅は広い。

日本酒の利酒師(ききざけし)で和食にも詳しいフリーアナウンサーの近藤淳子さんは、毎年夫婦で正月料理を作っている。お薦めのレシピを聞くとやはり肉料理。「ロースト鴨(かも)の日本酒ベースソース」という。まず、かも肉をフライパンでロースト。肉汁はしょうゆ麹(こうじ)と日本酒と合わせて煮詰め、ソースにする。近藤さんは各地の日本酒を広める活動もしており、料理に使う麹は蔵元から直接もらったこだわり品。「砂糖を使わなくてもうま味が出てくれる」とお気に入りだ。

ハーブを使った日本酒、おとそ代わりに

正月に飲む「おとそ」。もとは中国で唐の時代から飲むようになった薬酒といわれる。「屠蘇」の文字には邪気を払って健康になる願いが込められている。日本には平安時代に伝わり、初めは宮中儀式として採り入れられた。サンショウ(山椒)やキキョウ(桔梗)、ケイヒ(桂皮)など漢方薬にもなる薬用植物を組み合わせた「屠蘇散(とそさん)」を使う。簡単なものだとドラッグストアでも年末に100円程度で売っており、日本酒に漬けておとそを作れる。

今後はオシャレな「現代版おとそ」を楽しむ人も増えそうだ。国産のハーブやかんきつ類をいかした酒造りに挑む若手がいる。ベンチャー企業のWAKAZE(山形県鶴岡市)は、地元の酒蔵に依頼して新感覚の酒をつくっている。これから売り出すFONIAという銘柄はサンショウやショウガ、ユズなどを酒の発酵中に副原料として入れる。こうした酒を従来のおとその代わりに楽しむのもいいかもしれない。

酒税法上は日本酒と名乗れないので「その他の醸造酒」となるが、「地ビールのように日本酒の味の幅を広げたら面白いのでは」と稲川琢磨社長は目を輝かす。ベルギービールでもコリアンダーやオレンジピールを使って個性を出す銘柄は多い。稲川社長はボストン・コンサルティング・グループでのコンサルタントから、まったくの異世界である酒造業で2016年に起業した。日本の食文化に新たな風を吹き込もうと奮闘する。

おせち現代化、江戸にもルーツ

正月料理の「現代化」をみてきたが、伝統を生かしつつアレンジしていくのは時代の流れ。昆布巻きも、昆布が本格的に手に入るようになったのは江戸時代。幕府から旗本にも取り立てられた江戸の商人、河村瑞賢が本州をぐるっと回る「西回り・東回り航路」を開拓した。松前藩が蝦夷(北海道)でアイヌの人々から買い付けた昆布や干物が北前船に乗る。西回り航路で日本海を南下し、敦賀や門司、瀬戸内を通って大坂(大阪)にたどり着く。海運の発達が日本各地で使える食材も豊富にしていった。

おせちは伝統料理だからと肩肘はらず、新しさを取り入れていくものと捉えてもいいのではないだろうか。

(小太刀久雄)

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