孫さんも認めた16歳の起業家 電子決済事業に挑戦ONE FINANCIALの山内奏人CEO

なぜ決済など金融関連サービスを追求するのか。「日本発で世界で勝てるサービスは経済取引のデータ量ではないかと。東京は今でも世界の都市でトップクラスの規模ではないでしょうか。だったら決済だなと考えました。すごくいいデザインを開発して、スマホで使い勝手のいいユーザーインターフェースをつくり上げれば、ベンチャーでもやれるのではないかと思いました。リアルな身近データがいいじゃないかと。当時は『アップルペイ』もなかったですし、チャンスはあるかなと考えました」という。

VCなどから1億円調達

孫正義氏は異才96人への支援を決めた

ONE FINANCIAL設立時に第3者割当増資を実施、約1億円を調達した。イーストベンチャーズやインキュベイトファンド(東京・港)、D4V(同)などVCが出資したほか、著名な複数の投資家も資金を拠出した。

5月30日、山内さんはソフトバンクグループ社長の孫正義氏に初めて会った。孫正義財団が未来のリーダーとなりうる人材を発掘し、支援するために開いた審査会に呼ばれたのだ。当時、ビットコイン事業を手掛けていた山内さんは、審査メンバーだった棋士の羽生善治さんに「ブロックチェーンの説明をして」と問われ、スラスラと説明。それが横にいた孫氏の目に留まった。

「へえ、くわしいね、君。じゃ、中国の企業の決済戦略のリポートを僕にメールで送ってよ」と孫氏から『宿題』を出された。24時間以内に提出しようと全力で取り組み、翌日に長文の戦略リポートを送ったという。

山内さんは孫財団の支援対象者96人の1人に選ばれた。対象者のニーズに合わせて海外留学費などを財団側が負担してくれるという。今回の対象者は8歳から26歳までの男女。孫氏から山内さんも「将来が楽しみな若手起業家」と認められた形だ。しかし、「残念ながら、いまだ孫さんからメールの返事はいただいていません。本当は孫さんからの投資を狙っていたのですが、まだ僕のレベルでは孫さんクラスの投資家の対象外ですね。やはり流通総額で1兆円を超えないと相手にされない」と笑う。

ところで山内さんは本当に高校生なのか。「朝8時半から午後3時半までしっかりと授業は受けています。その後は深夜まで仕事です。土日も仕事。めちゃくちゃ仕事が楽しいので、ほかのことには興味はないですね。今年は急行電車を待っている、いわば準備期間でしたが、18年は急行に乗るつもりです。着実にスピードアップしてゆきます」という。16歳の起業家の新たな挑戦は、始まったばかりだ。

(代慶達也)

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