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六本木にオフィスを構えた高校生起業家の山内奏人さん

六本木にオフィスを構えた高校生起業家の山内奏人さん 

2017年秋、東京の繁華街、六本木にオフィスを設けた16歳の高校生起業家がいる。東京学芸大学付属国際中等教育学校(東京・練馬)に通う山内奏人さんだ。13歳のときにネット事業の起業に携わり、17年7月には孫正義育英財団が支援を決めた異才96人の1人にも選ばれた。9月末、約1億円を資金調達し、新たに電子決済サービスの事業に乗り出した。金融関連事業は信頼性を問われる世界だ。高校生起業家が、本当にそれを手掛けられるのか。その素顔に迫った。

六本木にオフィス 元LINE社員も

12月21日、六本木の東京ミッドタウンの隣にあるオフィスビル2階。そこに山内さんが最高経営責任者(CEO)を務める「ONE FINANCIAL(ワンファイナンシャル)」の事務所がある。部屋の広さは約50平方メートル。パソコンなどの端末が並ぶが、メンバーは山内さんを含めて3人。18年初めからは2人増えて5人になる。

「オフィスの賃貸料は、前にいた大手町ほど高くないですね」と、まだあどけない笑顔で山内さんは明かす。他の2人は35歳の元LINE社員と、都内の大学3年生。新たに入社する2人はともに20代後半で、IT企業に勤める社員だという。「5人ともITエンジニアというか、プログラムのコードとデザインが書けます。入社する2人は僕が誠心誠意口説きました。それぞれCOO(最高執行責任者)候補とCTO(最高技術責任者)候補です」という。いずれも山内さんより年上、しかも3人はIT業界人だ。

最近、高校生起業家を名乗る人は増えている。事業の内容も文化祭のイベント関連やゲームアプリの開発、若者向け商品の販売・マーケティング支援といった「高校生らしい」事業が少なくない。実態は親が実質的な経営者という場合もある。しかし、山内さんは「父は普通のサラリーマンです。母も働いていますが、両親とも僕の事業には関わっていません。『がんばってね』といわれるぐらいです。確かに高校生で金融関連の起業家なんて耳にしませんよね」という。

スマホで簡単にカード決済

山内さんが手掛ける電子決済関連事業とはどのようなサービスなのか。ONE FINANCIALが開発したのはスマートフォン(スマホ)があれば、簡単にカード決済ができるアプリ「ONE PAY(ワンペイ)」だ。例えば、AさんがBさんに中古パソコンをネット上で5万円で売却する場合、Aさんはこのアプリをダウンロードして登録、決済金額を入力したあと、支払う側のBさんのクレジットカードをスキャンするだけで簡単に決済が完了する仕組みだ。すでに大手のVISA、アメックス、マスターカードを使えるようになっている。

山内さんは「最近、メルカリなど個人同士の売買取引が盛んになっています。それぞれが独自に売買取引の決済をするには、1台数万円の専用端末が必要になります。しかし、ONE PAYを使えば、個人間取引や、小規模な店舗との取引についても、簡単にスマホでカード決済できるし、手数料も5%だけです」という。

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