「お金がたまる財布」のジンクス、FPが分析しました
新しい年になって、財布を買い替えようと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
財布には風水の見解やいろんな噂がありますが、ファイナンシャル・プランナーの目から、よく耳にする財布ジンクスをひも解いてみました。これからの財布選びの参考にしてくださいね。
財布を買うのなら長財布がいい?
「長財布はお金がたまる」と、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
長財布を持つだけでお金持ちになれるのなら、二つ折りの財布は売れないし、長財布を持っている人なら誰もがお金持ちになっているはですよね。でも、実際は、二つ折り財布は売られているし、長財布を持つ人が全員お金持ちなわけではありません。
それにもかかわらず、「長財布はお金がたまる」といわれるのは、「お札を折らずに財布に入れることができる」という、長財布の機能からと思われます。
つまり、「長財布を使っているということは、お札を大切にしている人。だから、お金がたまる」ということなのでしょう。
それならば、「お札=お金を大切にする」ことがベースにあれば、長財布でも、二つ折り財布でも、問題ないはず。財布のカタチよりも、お金を大切に扱うことに意識を向けてみてくださいね。
お札はさみしがり屋って本当?
「お札はさみしがり屋。同じ向きにそろえて入れると居心地がいいから、お札の仲間を連れてくる」といわれることがあるようです。
さみしがり屋かどうかは私には分かりませんが、お札の向きをそろえたり、1万円札は1万円札、1000円札は1000円札と金種別にお札を入れたりしておくと、いいことがあります。
それは、人前でお金を出すとき。お札の向きや金種がそろっていると、スッと差し出すことができて、品があります。少なくとも、お札の間から飛び出してきたレシートが床に落ちて、恥ずかしい思いをするようなことはありませんよね?
お札の向きをそろえることで、お札がお札を呼ぶのではなく、その丁寧さが人柄を表すことにつながると思ってはいかがでしょうか。
満月・新月に財布を振るとお金がたまる?
「満月や新月の日に、財布の中のものをすべて出し、月に向かって財布を振るとお金がたまる」といわれているようですが、これもそれだけでお金がたまるのなら苦労はしません(笑)。
ここでポイントとなるのは、「財布からすべてのものを出す」ということ。それにより、自分の財布にいくらの現金があるのか、ということが分かりますし、期限切れの割引チケットや普段行かないお店のポイントカード、そして、レシートなどを整理することができます。
この財布の掃除をする機会を定期的につくることが、お金周りの管理や行動を振り返ることにつながり、さらには「お金がたまる」ということに結び付いているのではないかと思うのです。
レシートは毎日取り出すとお金がたまる?
買い物をしたときのレシートは、いつ取り出していますか?
毎日? 1週間に1回? それとも、財布がパンパンになったとき?
「毎日レシートを取り出すとお金がたまる」というのは、毎日レシートを確認することで、その日に使ったお金について振り返ることができるから、お金の管理ができる、ということにつながっています。
その他にも、レシートがたまっていない財布は、見た目もスリムで美しさがあります。また、財布の型崩れも防げるため、結果として、財布の寿命を延ばすことができます。
「レシートを毎日取り出すとお金がたまる」といわれるのは、「使ったお金の管理ができる」ということと、「財布が長持ちする」ということの2点が根拠にありそうですね。
財布は3年で買い替えるのがいい?
財布の買い替え年数は、3年だったり、1年だったり、諸説あるようです。大切なことは、買い替え年数なのではなく「よれよれの財布を使わない」ということでしょう。財布が型崩れしていたり、角の染めや補強が取れてボロボロになっていたりするようでは、どんなにおしゃれをしていても、だらしがない印象を与えてしまいます。つまり、買い替え年数が重要なのではなく、いつもきれいな状態の財布を持つことで、他人に不快感を与えないということが大切なのかもしれません。
使いなれた財布を手放したくない場合は、革の染め直しやほつれた糸の補修などのメンテナンスをして使いましょう。
さて、ファイナンシャル・プランナーの目で財布ジンクスをひも解いてみましたが、いずれも共通するのは、お金や財布を大切にすること。その行動が、人からの信頼や評価につながり、さらには、仕事の人脈や人生の豊かさという「お金持ち」というところにつながるのではないかと考えました。
もちろん、風水等が好きな方は、それに沿って行動するほうが安心できると思いますから、色や形などお好きなものを選んでください。でも、特にこだわりがない……という方は、財布ジンクスにこだわらず、気に入った財布を選んでくださいね。
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む"お金のワークブック"』(日本経済新聞出版社)。
[nikkei WOMAN Online 2017年12月11日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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