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第二の人生、シチリアでワインと生きる 駐在員の挑戦

西川さんは、カラスミ(写真)を使ったブルスケッタとの相性がいいと言う

そこで、まずはエトナ山麓のワインバーを借りお披露目会をした。その会に現れたのが、ワインバーの店主の知り合いだったソムリエのルカ・ガルディーニさん。2010年のソムリエ世界大会(ワールドワイド・ソムリエ・アソシエーション主催)の優勝者だ。

ガルディーニさんは、「エトナ・ロッソ ジュン」を「ラベンダーとゼラニュームの自然の香り、カシスのようなほろ苦さと調和した甘いさくらんぼの香りのあるワイン」などと高く評価した。そのときの西川さんの誇らしい顔が思い浮かぶようだ。

2017年秋には日本でも数々の試飲会を開催。会場の一つ、東京・白金台のイタリアンレストラン「ラ ソスタ」のソムリエ、永瀬喜洋さんは「試飲してみてください」と西川さんが同レストランに最初にワインを持ち込んだとき、実は全く期待していなかったと明かす。

イカスミのパスタ

「ワインの産地として知られるイタリアのトスカーナで、引退後ワイン造りをしている日本人の方もいるのですが、正直あまり高いレベルのワインではない。ところが、エトナ・ロッソ ジュンを飲んでみるとエレガントで、いわゆる『レストラン』で飲むクラスのワインだと感じました」と言う。そして、「まだ新しいワイナリーなので今後どのようになっていくかは分かりませんが」としながら「日本人として応援したい」と結んだ。

「エトナ・ロッソ ジュン」をどんな料理と合わせるのがよいのかを西川さんに聞くと、「パンの上にカラスミをのせたブルスケッタ(イタリアの前菜の一種)をつまみにしたときは良く合うなあと思いました。あと、イカスミのパスタとも合うんですよ。イカスミのパスタは生臭いところがあって普通赤ワインは合いづらいんですが、これがいいんですよね」。

イタリアの野菜煮込み料理カポナータ

一方、夫人の純子さんは、「ドライトマトのオイル漬けが鉄板ですね。あと、私は野菜が好きなので、イタリアの野菜煮込み、カポナータと合わせるのも好きです。『ノルマ』と呼ばれるトマトと揚げナスのスパゲティとも合うんですよ」と薦める。ワインを試飲してもらった東京の割烹では、和食にも合うと好評価をもらったそうだ。

「ワインを造っていると、愛着が出てきて、みんなにこれを大切にしてほしいと思う。長年モノ作りの会社に勤めてきましたが、その心は一緒ですね」と西川さんは言う。実は西川さんは、畑を取得してから無農薬・無化学肥料でブドウを育てており、2020年にリリースされる2017年物からはEUの認証を取得した「ビオワイン」となる。東京五輪・パラリンピックの年までにどんなワインに熟成していくのか。西川さんのワイン造りの旅はまだ始まったばかりだ。

(フリーライター メレンダ千春)


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