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空から見た!北極圏の絶景と動物たち 写真10点

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/1/7

ナショナルジオグラフィック日本版

カナダ、ヌナブト準州のアークティック・ベイで、氷から氷へ渡るホッキョクグマ(Photograph by Florian Ledoux)

 荒々しくも身の引き締まるような北極圏の美しさに、写真家のフロリアン・ルドゥー氏が心を奪われたのは10歳の時だった。「壮大な眺めと、そこにいる素晴らしい動物たちが、私を北極へと引き寄せました。旅を重ねるにつれ、その思いは高まり続けています」と、ルドゥー氏は言う。

 ルドゥー氏は近年、アイスランドやグリーンランド、カナダなどで陸地や空を縦横に旅しながら、風景や野生動物の映像を撮影している。氏はフランス海軍の写真記者として働きながら、グリーンランドのイヌイット文化と土地との関わりを撮る個人的な企画で技術を磨いた。

グリーンランドで優美な氷山を観察する時は、最低でも氷の高さの3倍という安全な距離を保つのが鉄則だ。氷山は頻繁に壊れ、海に崩れ落ちる(Photograph by Florian Ledoux)

 2017年、ルドゥー氏はカナダ、ヌナブト準州のトレンブレー・サウンド付近で、ホッキョクグマを探そうと船を出した。一晩かけた探索は収穫なしに終わったが、撮影チームは翌日、期待できそうな大きな氷に出くわした。ホッキョクグマが獲物を狩るのに理想的な氷だったのだ。

 その場所に近づくと、ついに現れた。アザラシを探して氷床から氷床へ跳び移る、4頭のホッキョクグマだ。この場面を新しい視点から撮影しようと、ルドゥー氏は上空へカメラを送った。

カナダ、ヌナブト準州で氷を横切る若いホッキョクグマ(Photograph by Florian Ledoux)

 「ドローンを使いました。それによって、伝統的な野生動物写真に新たな視点が生まれていますから」。北極圏でドローンを使うのは容易ではない。過酷な寒さに加え、磁極が機器に影響し、コンパスの誤動作さえ引き起こす。その上、ルドゥー氏は動く帆船の上からドローンを操作して撮影していたのだ。

 どんな動物でも、生息地に近づくときのルドゥー氏は慎重だ。現地に入る前には動物の行動を調べることに時間を費やす。北極圏と、そこで困難に直面しながら生きる動物たちの大きなストーリーを写真で示すことが目標だ。「私にとって、動物たちのそばにいて空間を共有する時ほどうれしい時間はありません。初めてホッキョクグマと会ったときのことは、この先決して忘れないでしょう。間近にいた3時間の間、私はずっと泣いていたほどです」

寝そべるセイウチの群れ。カナダ、ヌナブト準州レゾリュートにて(Photograph by Florian Ledoux)

 北極地方はルドゥー氏にとって、もう一つの故郷と言えるほど、写真への情熱をかき立てる土地となった。「自分の中で何かが起こる、最高の瞬間です。身も心も夢中になるような深い感覚です。どこか別のところにいるような気持ちで、写真を撮っています」

 次は何を撮るのだろうか。ルドゥー氏は今、季節によって変わる光景を上空から動画に収める、長期の北極圏プロジェクトを計画中だ。並行して、パートナーと共に北極圏ツアーのガイドを務め、観光客の啓発に貢献したり、自身の写真への情熱を伝えたりしている。

 次ページで、ルドゥー氏がとらえた北極の絶景フォトをさらに6点紹介。

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