贈りたいのに贈り物を選べません
女優、ミムラさん
人に贈り物がしたいのに、悩みすぎて選べません。無事、贈ることができても、がっかりしたのではと、後で悩んでしまいます。どうすれば、贈り物上手になれるでしょうか。(埼玉県、40代、女性)
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相談者さんは気遣いの方ですね。こんな考えの方だったらきっと良い贈り物ができているでしょうから、心配は無用と感じましたが、今後のために私の思うコツを書きます。
私はよく贈り物をするタイプの人間です。最近自分が気に入っているお菓子や入浴剤など、気軽に贈ることが多いです。
しかし、相談者さんの内容ではシチュエーションがあるようですから、そこに焦点を絞って考えてみてはいかがでしょう。贈り物は、状況によって選ぶ幅がおのずと限られてくるもの。無限ではありません。
まず相手との関係性(距離感)。これから付き合う挨拶なのか、お世話になったお礼なのか。相手の現状。そして予算。
これらを書き出して考えれば、贈り物の範囲が見えてくると思います。
以前交わした会話に出た物を贈ると、喜ばれることが多いですね。または「最近の私のオススメです」とお渡しすると会話も弾みます。同性・同年代には自分が今2番目に欲しい物(興味はあるけれどすぐに買う程ではない物)をあげるのもヒット率が高いです。ギフトカタログは安全パイという印象ですが、後日何を選んだかを聞くことで好みやライフスタイルが把握でき、次回以降、役に立ちます。
一番難しいのが、目上で、何でもお持ちの方へのプレゼントでしょうか。私の最難関は、所属事務所の社長への誕生日プレゼント。先日は重さ2キロ超の巨大ブドウを、半年前から予約してお贈りしました。多忙な方なので、種なしで皮ごと食べられる品種です。果物好きの社長は喜んでくださっています。
ただ、作物なので出荷時期の前後アリ。誕生日の贈り物として難アリと悩みましたが、当日は品物が殺到しますし、社長は鷹揚(おうよう)な方なので、多少ずれても構わないと旬のおいしさを優先。贈り物に満点なんてないのですよね。
贈り物を受け取った後の気持ちや考えは、相手のものです。あなたにできるのは、お渡しするまでのこと。その先も自分の理想通りを望むのは、くたびれてしまいますよ。
「心ばかりですが」という言葉があります。つまり「あなたへの私の気持ちを100%代弁できる贈り物はない」という前提です。真心を込め、お渡しするまでを一生懸命やったら、あとは気楽に参りましょう。
[NIKKEIプラス1 2017年12月23日付]
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