知らないと損! 資格取得でお金が戻る給付金制度

日経ウーマンオンライン

2017/12/28
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2017年も残りわずか。今年1年を振り返り、「来年こそは!」と決意を胸に秘める方も多いのではないでしょうか?

実際、私のところに家計相談にいらっしゃる方の中にも、この時期は「来年こそは頑張りたい」、年が明けると「今年こそは!」と新しいことにチャレンジしようとする方が増えてきます。

そこで、「来年こそ資格を取ろう!」と思ったときに役立つ制度をお伝えします。

資格取得にかかった費用の2割が戻ってくる

雇用保険に1年以上加入している方なら、スキルアップの際に思い出していただきたいのが、「教育訓練給付金」です。

この制度は、例えばファイナンシャルプランナーやネイリスト、運転免許などの一定の講座を受講すると、「かかった費用」のうち20%(最大10万円)が給付金として、後から戻ってくる制度です(2万円以上の講座が対象)。

20万円の講座を受講する場合は、その20%の4万円が給付されるため、最終的な自己負担は16万円で済むのです。

対象となる講座は、資格取得だけとは限りません。さまざまな種類がありますから、教育訓練給付制度の検索ページで興味がある講座を探し、スキルアップを検討してはいかがでしょうか。

「かかった費用」の対象になるのは?

先ほど、給付金は「かかった費用の20%」とお伝えしましたが、かかった費用は教育訓練経費といい、本人が支払った入学金や最大1年分の受講料が対象です。資格試験の受験料や交通費、パソコンなどの機材の購入費用は除外されますが、もしも資格試験に合格しなかったとしても、その講座を修了することで申請できます。試験に合格するのが一番ですが、不合格でも給付金がもらえるのはありがたいですね。

どんな人が利用できるの?

受講するまでに、雇用保険に加入している期間が1年以上ある人が利用できます。なお、今まで教育訓練給付金を使ったことがない人は1年以上の加入で利用できますが、過去に一度利用したことがある人は、利用から3年経過すると、再度使うことができますよ。

また、一旦退職した方も、退職日の翌日から受講までが1年以内であれば、失業中でも利用できます。転職を考えている方は、この期間を上手に使ってスキルアップできますね。

雇用保険に加入していれば、正社員やパートなどの名称を問わず利用できるうれしい制度ですが、残念ながら、雇用保険料を納めていない公務員は、利用することができません。

自分が教育訓練給付金を利用できるかどうか分からない場合は、ハローワークまたは、受講予定の学校等で配布されている「教育訓練給付金支給要件照会票」を使って、郵送で確認しましょう。

どうやったら利用できるの?

教育訓練給付金を利用するには、ハローワークへの申請が必要です。それも、講座修了日の翌日から1カ月以内と、期限が決まっています。申請期間が短いので、後回しにせず、修了後は速やかに手続きしましょう。スケジュール帳などに「ハローワークに行く」「郵送する」など、予定を書いておくといいですね。

その際に必要な書類は、次の通りです。

(1)講座を受講した学校等から受け取る「教育訓練給付金支給申請書」と「教育訓練修了証明書」「返還金明細書」

(2)受講料を支払った際の「領収書」

(3)受講した本人の「住所が確認できる書類」として、運転免許証など。郵送申請の場合は、住民票の写しか印鑑証明書のどちらかで証明します。

(4)「雇用保険被保険者証」か「雇用保険受給資格者証」の原本またはコピー

教育訓練給付金制度を後から知った際、一番困るのが「領収書」です。あらかじめ、申請に必要な書類が分かっていないと、領収書を捨ててしまうかもしれません。領収書はお金に代わる大事な書類ですから、しっかりと保管しておきましょう。

より専門的な資格を取りたい場合は?

キャリアコンサルタント、社会福祉士、美容師、看護師、保育士などの専門実践教育を受けたい場合は、一般の教育訓練給付金よりもさらに手厚い給付を受けることができます。

このときの条件は、雇用保険に2年以上加入している人(初めて受講する場合)であり、受講した教育訓練経費の40%(年間上限32万円)を受けることができ、さらに、受講修了日から1年以内に資格を取得して雇用される場合は、20%が上乗せされるため、最大で合計教育訓練給付経費の60%(年間48万円)を受け取ることができますよ。

せっかく毎月給料から納めている雇用保険料。2018年のスキルアップや転職を考える際には、活用してくださいね。

前野彩
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)。

[nikkei WOMAN Online 2017年12月4日付記事を再構成]