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同志社大卒の異色ソムリエ 世界挑戦を支える改革の志 ソムリエの岩田渉氏

2017/12/30

ソムリエの岩田渉氏

ワイン界に異色の新星が現れた。京都市内のバーでソムリエとして働く岩田渉氏(28)だ。同志社大学に在学中、留学先のニュージーランドでワインのとりこになり、同期が大企業に就職するのを横目に、ソムリエの道を選んだ。2017年、ソムリエ日本一を決める大会に初出場で優勝し、業界関係者を驚かせた。目指すは、日本人では田崎真也氏以来となる「ソムリエ世界一」だ。

■「プロ」になって3年で日本一に

京都市内を流れる鴨川のほとりに立つバー「Cave de K(カーヴ・ド・ケイ)」。岩田氏はここで週6日、午後6時から午前2時までカウンターに立つ。閉店後、店を片付け、自転車をこいで家に着くのは午前3時ごろ。一息入れ、午前4時から約1時間ワインの勉強をして寝るのが日課だ。

岩田氏が一躍脚光を浴びたのは、4月に開かれた「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」。3年に1度開くこの大会は、トップレベルのソムリエが、ワインの知識やテイスティング能力、サービスの技を競う。経験豊かなベテランが圧倒的に強いとされる大会だ。

岩田氏はソムリエ歴わずか3年で、年も一番若かった。職場は、多くの優勝者を輩出してきた大手ホテル系のレストランではなく、「ワインが1杯も出ない日もある」という、カクテルが売りの小さなバー。異例ずくめの優勝だった。

コンクールで特に際立ったのは、岩田氏の語学力だ。日本で開く大会も、筆記試験からワインの香りや味わいを正確に表現するテイスティング、客のグラスにワインを注ぐ実技にいたるまで、すべて英語かフランス語で行われる。世界を意識しているからだ。

国際大会で日本勢が苦戦する最大の原因は語学力だが、岩田氏の英語は、準優勝した帰国子女のソムリエと並んで、群を抜いていた。ワインに関する幅広い知識を問う筆記試験も高スコアだった。高校や大学の試験勉強で培った集中力が生かされた格好だ。敗れたベテランのソムリエは「次元が違う」と白旗をあげた。

異色のソムリエはどうやって生まれたのか。

名古屋市内の進学校に通っていた岩田氏は、大学進学を考えず、ラーメン店でのアルバイトに明け暮れていた。だが、高3になり学校が受験ムード一色になると、「取り残されるのが嫌で」受験勉強を始めた。出遅れた分を猛勉強で取り返し、第1志望の同志社大学社会学部に合格した。

■真面目な大学生活、海外旅行が転機に

親の援助に頼れなかったため、大学の授業料は奨学金で賄い、生活費は飲食店でバイトをして稼いだ。授業は一度も休まず、大学2年までに卒業に必要な単位の約8割をとった。真面目で優秀な生徒だった。しかし、授業とアルバイトに明け暮れる生活は、「全然面白くなかった」と振り返る。

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