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書店員がおすすめ 年末年始に読むべきビジネス書7冊

2017/12/22

■「新しい経済の歩き方」示す

2~3カ月に一度訪れている準定点観測書店の青山ブックセンター本店の益子陽介さんが選んだのは、最新の売れ筋になっている佐藤航陽『お金2.0』(幻冬舎)。11月末の刊行で、同店の12月11~17日週の売り上げトップだった本だ。「お金をとらえ直す本で、今の経済に起きている本質的な変化とは何かが書いてある。モノからお金になりにくい『価値』に焦点が当たるようになってきているという認識など、共感できるところが多い」と益子さんは言う。著者の佐藤氏は、ビッグデータ解析を武器にアプリ収益化支援事業やオンライン決済サービスを手がけるスタートアップ企業の旗手の一人。ビジネスを通じて得た「新しい経済」のイメージをこれからの生き方に結びつけながら描く。「若いビジネスパーソンにこそ、読んでもらいたい」と益子さんはすすめる。

もう1冊選んでくれたのは、英国で起こっている社会の変容に鋭く切り込んだオーウェン・ジョーンズ『チャヴ』(依田卓巳訳、海と月社)。副題に「弱者を敵視する社会」とあり、英国で起きている「白人労働者階級」への差別の実態と、それを生み出した政治的、社会的要因を分析している。ビジネス書というジャンルには収まりきらない本だが、原著が刊行された11年に英米などでベストセラーになり、16年には新版が刊行されるなど、現地では版を重ねる。「暗たんとした気分になる本だが、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)の背景にもなり、トランプ現象や今日の日本の現状にも通底する問題。分断が進む社会を考えるきっかけになる」というのが益子さんの推薦の弁だ。

(水柿武志)

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