千代紙チョコ、花のクッキー 「彩食」兼備の東京菓子
東京駅、羽田空港といった「玄関口」にはない、立ち寄ってでも買うべき逸品が東京各地に数多く眠っている。なかでも今狙いたいのが、見た目のユニークさと本格的な味わいを両立した新世代スイーツだ。注目商品をスイーツコーディネーターの下井美奈子氏とチェックした。
筆頭は、ドミニクアンセルベーカリーの銀座三越店でしか買えないフラワークッキー。本物の花を思わせる驚きの形状に思わず見ほれる。ローズクッキーとライチの上品な風味が溶け込んだガナッシュは、意外な組み合わせながら絶妙な味わい。花びらを摘むように食べるのも趣深い。花束を贈る感覚で、大切な人への手みやげに最適だ。
美しさではパレスホテル東京オリジナルの「千代ちょこ」も負けてはいない。僅か2mmの極薄チョコで、一見するとまさに千代紙。「一枚一枚、違う味に仕立てている」(同ホテルのショコラティエール・小林美貴氏)というように手が込んでおり、口溶けも良く、「外さない名品」といえる。
くず餅の名店・船橋屋が手がけた和洋折衷の「くず餅プリン」や、おかき専門店・赤坂柿山の「味和音」など、新感覚の和菓子も台頭している。年末年始の帰省用などに手に入れたい。
Pull-Apart Flower Cookie〈フラワークッキー〉:大輪の花に見えるクッキー
銀座/ドミニクアンセルベーカリー/4500円(税別)
花に見えるが、実は淡いピンク色のローズクッキーに、雌しべに見立てたライチガナッシュが入っている斬新なスイーツ。食べるとバラとライチの上品で爽やかな香りが口いっぱいに広がる。銀座三越の店舗でのみ購入できる貴重な逸品だ。「切り分ける必要がなく、手軽に楽しめるのが魅力。クッキーは軽やかな口当たりが特徴だ」(下井氏)
千代ちょこ:まるで千代紙の極薄チョコ
丸の内/パレスホテル東京ペストリーショップ「スイーツ&デリ」/12枚入り5616円(税込み)
江戸千代紙や着物柄など、日本の伝統美をモチーフにしたチョコレート。厚さは僅か2mmで、香り豊かなカカオの風味を楽しめる。絵柄ごとにカカオの含有率が異なり、マイルドな味わいからビターなものまで多彩。「パリッとした食感で繊細な口溶け。1枚ずつ味が異なっており、食べ比べるのも楽しい」(下井氏)
あくの強いチョコレートの塩味クッキー:甘くない"異端"菓子
代官山/パティスリー イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ/30枚入り3240円(税込み)
仏ペック社のチョコレートをぜいたくに使ったクッキー。塩味がアクセントになっており、ほろ苦い余韻が口に残るのが斬新だ。ほろりとした口当たりも魅力。代官山店の他、通販でも購入できる。「軽い塩気がカカオの風味を引き立てている。赤ワインと合わせて楽しみたい」(下井氏)
味和音-みわね-:モフモフの不思議食感に驚く
新宿/飄々庵/6粒入り1300円(税別)
米菓専門店・赤坂柿山が仕掛けた新ブランド「飄々庵」の注目商品。2種類のもち米を使ったほんのり甘い生地に、爽やかなドライフルーツがマッチ。モフモフとした不思議な食感も特徴だ。NEWoMan新宿店で限定販売している。「独特の口当たりが特徴。ドライフルーツの甘酸っぱさが味のアクセントになっている」(下井氏)
くず餅プリン:くず餅の原料を使用、もっちり感触の和プリン
広尾など/船橋屋こよみ/4個入り1596円(税込み)
船橋屋が創業200年を記念して立ち上げた新ブランド「船橋屋こよみ」。名物のくず餅の原料である小麦でんぷんを使ったプリンは注目だ。弾力性のあるもっちりとした舌触りが特徴。広尾本店の他、通販などでも購入が可能だ。「きな粉と黒蜜の量を自分で調節できるのはうれしい。お年寄りへのプレゼントにも最適」(下井氏)
IROMONAKA詰合:自分であんを詰めるマカロンのようなもなか
日本橋/鶴屋吉信/もなか種22枚・あん3種入り 2700円(税込み)
京都の老舗和菓子店・鶴屋吉信が、コレド室町の「鶴屋吉信 TOKYO MISE」のオープンを記念して発売したもなか。パステルカラーの小ぶりなもなか種に、小倉、こし、抹茶などのあんを自分で自由に詰められるのが面白い。カラフルでマカロンのような見た目もとてもユニークだ。「あんを入れてすぐ食べるので、もなか種のさっくり感を味わえる」(下井氏)
揚げたて芋けんぴ:揚げたての香りは別格の限定品
日本橋/日本橋 芋屋金次郎/1袋500円(税込み)
東京で唯一、揚げたての芋けんぴを販売しているとうたう専門店「日本橋 芋屋金次郎」の看板商品。良質なオリーブオイルを使っており、豊かな香りとサクッとした歯応えに驚く。日本橋のコレド室町2で限定商品として販売し、1日に最高2000袋の売り上げを記録。
ごぼう夢:ゴボウの苦みが癖になる進化系和菓子
千駄木/和菓子薫風/1本3000円(税別)
千駄木の和菓子薫風が考案した、ゴボウが主役の斬新な和スイーツ。青森県奥入瀬産のゴボウをコーヒーシロップに漬けて錦玉羹に仕立て、浮島と合体させた意外性抜群の逸品だ。クミンシードをスパイスとして使っているのも新鮮。
栗マロン:ホクホク栗が丸ごと1粒入り
渋谷/パティスリー&カフェ デリーモ/4個入り1680円(税込み)
栗のペーストを使ったしっとり生地で、栗を丸ごと1粒包んだ栗尽くしの焼き菓子。さらに、キャラメル風味のブロンドチョコレートをディップしており、濃厚な味わいに仕上がっている。渋谷ヒカリエ ShinQs店などで、18年1月末まで限定販売。
とうもろこしのムースサンド:人気料理を菓子で再現
新宿/AU GAMIN DE TOKIO/6個入り1800円(税別)
予約殺到のフランス料理店「AU GAMIN DE TOKIO」の人気料理「とうもろこしのムース」を菓子で表現。まろやかな甘みのトウモロコシのムースに、程よい塩気のクッキーが絶妙。冷凍してアイスサンドとしても楽しめる。NEWoMan新宿の店舗の他、通販でも購入可能。
パンダ焼き(マロン):コージーコーナーの上野限定品
上野/銀座コージーコーナー/1個145円(税込み)
銀座コージーコーナー上野公園ルエノ店で限定販売している、パンダの顔をしたホットスイーツ。マロンあんに栗甘露煮ダイスが入った栗尽くしの限定商品を18年1月中旬まで販売中だ。
ジャンドゥーヤ生チョコレート:濃厚な味を堪能できる
銀座/マーロウ/1個1500円(税別)
神奈川・葉山のプリン専門店マーロウのGINZA SIX店でしか買えない限定生チョコスイーツ。職人の手作りのため、1日に10個しか販売されない。ヘーゼルナッツのプラリネペーストと濃厚な生チョコの相性は抜群。
生クリームシュークリーム:専門店の最新作
立川/生クリーム専門店ミルク/1本350円(税込み)
日本初の生クリーム専門店「ミルク」が作ったシュークリーム。「過去最高濃度」の生クリームとうたうだけあり、驚異の濃厚さだ。鮮度を重視し、賞味期限は購入後2時間(消費期限は当日)。ルミネ立川店で販売。
江戸砂糖漬 野菜菓子:江戸の食文化を継承する伝統品
曳舟/向じま 梅鉢屋/すみだ川〈中〉10~12種入り2376円(税込み)
江戸時代からの伝統を守り続ける、墨田区の梅鉢屋の砂糖漬け。野菜や果物の風合いを損なわずに仕上げる匠の技が生きた逸品で、食べると砂糖の甘みの中にも素材のうまみがしっかりと感じられる。
Saquアソート:「白い恋人」の銀座版?
銀座/ISHIYA GINZA/18枚入り1944円(税込み)
銘菓「白い恋人」で有名な石屋製菓が手がけた、GINZA SIX店限定のスイーツ。北海道産の原料をぜいたくに使い、6種類のチョコレートをラング・ド・シャでサンド。サクサク感と口溶けの良さは圧巻だ。見た目もカラフルで、贈り物に向く。17年4月の発売以来、連日完売するほど人気を集めている。
トレイルミックス:12種類の食材が詰まったアスリート向けナッツ
中目黒/グルーヴィナッツ/1袋1560円(税別)
登山などのスポーツをする際の栄養補給用に作られた「行動食」。国際山岳ガイドなどの協力の下、12種類のナッツやドライフルーツをブレンドしている。甘いものが苦手な人への贈り物にも最適だ。中目黒店などの直営店の他、通販でも購入が可能。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2018年1月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
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