小原 ソニーは宇多田ヒカルさんをイメージキャラクターに起用しているだけあって、コンパクトで女性でも使いやすそうですね。逆にBOSEは大きめで、耳につけた時に存在感があります。

それぞれの本体を並べてみた。右のBOSEの方が一回り大きい。ラバーのウイングも大きく、これを耳の内部にはめることで安定感が得られる

小沼 重量はソニーが片耳6.8g、BOSEが片耳9g。2g程度の差ですが、装着してみると違いを感じます。BOSEは耳に固定するためのラバーウイングも大きいため、装着感はしっかりしていますが、やや圧迫感を感じました。ソニーは大きすぎず、小さくて不安になるということもなく「つけていることを忘れる」という完全ワイヤレスイヤホンのメリットは、ソニーの方がより味わえると思いました。

小原 デザインはどうですか? 僕はBOSEの方が個性があって好みなんですよ。昔はソニーもこうした個性的なデザインが得意でしたが、今回のWF-1000Xは品の良いデザインにまとめてきました。

小沼 BOSEはスポーツ対応をうたっていることもありますし、フィットネスジムなどで使うには映えそうです。逆に、どんな服装でもなじみやすいのはソニーではないでしょうか。いつでも使いやすいという意味で、僕はソニーの方が好きですね。

それぞれを耳に装着してみたところ。こうしてみると、BOSEの大きさがよくわかる

従来モデルと反対な音の個性

小沼 続いて、音質を比べてみましょう。まず、ソニーはどうでしたか? 僕は少し高音がとがって聴こえてしまったのですが……。

小原 私は高音は特に気にならず、むしろ少し低音域を強調しているように思いました。EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)など、打ち込み主体の音楽を聴いた時に気持ちいい音になっていると思います。

小沼 BOSEはどうでしょう。こちらは低音も高音もクリアで、全体的にフラットな音だと思いました。

小原 そうですね。BOSEはバランスが良くて、情報量が豊か。クラシックなどで弦のハーモニーを聴くとその特徴がはっきりとわかります。正直、今回の音は少し意外だったんです。両社のヘッドホンの傾向からすると、低音が強いのはむしろBOSEの特徴で、ソニーのほうがフラット。ブランドを伝えられずに目隠しテストをされたら、逆だと思ったかもしれません。

小沼 それは面白いですね。ではどちらの音が好みでしたか? 僕はいろいろなジャンルの音楽を聴くので、バランスの良さを重視します。そのため今回はBOSEが好みでした。

小原 AV評論家として再生性能を評価する場合、再生領域の広さや、それぞれのトーンのバランス、立体感や分解能などを確認していくのですが、今回はバランスが整っていて、分解能が高いBOSEを推したいと思います。

世代で意見が分かれた再生時間の差

ケースとそれぞれの本体を並べてみた

小沼 続いて連続再生時間です。こちらはソニーが3時間、充電ケース併用で9時間に対し、BOSEは5時間、ケース併用で15時間。BOSEはソニーの1.5倍以上ですが、この点についてはいかがですか?

小原 イヤホンの場合、3時間も連続で音楽を聴くことはないから、ソニーでも十分だと思います。ケースにしまえば充電もできるわけですし。

小沼 僕は3時間だと短く感じたんですよね。

次のページ
役に立った「外音取り込み」モード
MONO TRENDY連載記事一覧