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人生を変えるマネーハック

日々の生活に幸福感 必要なのは少しの好奇心とお金 お金と幸せをマネーハック(4)

2017/12/25

PIXTA

今月は「お金と幸せ」がテーマでした。このテーマで難しいのは、お金をかければ幸福感が高まるとは単純にいえないことです。なぜなら幸せは個人的な感覚によるところが大きいからです。

それは言い換えると、幸せを実感できるかどうかは自分の感受性によって変わってくる、ということです。そこで最終の第4回では「自分自身の発想を変える」という話をします。

■豊かな時代のはずなのに実感できない

日本人は過去のほうが豊かであったと主張する人はたくさんいますが、本当でしょうか? 私はそのほとんどは思い出に「補正フィルター」がかかった、美化された状態であると思います。年配者にありがちな、いわゆる「懐古主義」です。

以前、バブル景気の頃のイタリアンレストランで供されたメニューの写真を見たことがありますが、「これなら今のファミレスのほうがおいしそうだ」と思いました。値段も今のファミレスのほうが安いはずです。しかも、今は流通システムが進化していますので、あの頃より食材はフレッシュです。つまり、今のほうが安くて美味い食を楽しめることになります。

世界的に見ても、日本は相対的に豊かな国の一つです。私は米アップルのスマートフォン(スマホ)、iPhone(アイフォーン)のシェアが国民の経済的豊かさを示す指標となると考えています。なぜなら、米グーグルの基本ソフト、Android(アンドロイド)を搭載したスマホに比較してかなり割高であるにもかかわらず、国民の多くが購入できる状態を表しているからです。実は、日本は世界でもトップクラスでiPhoneシェアの高い国として知られています。

iPhoneが高いといっても10万円前後です。バブルの頃は機能としてはそれより貧弱であったパソコンに多くの人が50万~100万円を払っていました。先端技術がコモディティー(日用品)化したことで、私たちは高機能をリーズナブルな値段で享受できるようになったのです。

社会の風潮も様変わりしました。かつては体罰など暴力を用いた教育的指導が正当化されていたり、性差別の意識を持つ人が大勢いたりしました。まだ課題は多いものの、少しずつ改善は進んでいます。過去のどんな時代を振り返ってみても、今は豊かな生活を享受できている時代ではないでしょうか。

しかし、現代においてはそれでも豊かさや幸せを実感しにくい人が多いのです。なぜでしょう。

■年齢を重ねるほど生活の向上感は得にくい

内閣府のデータで「国民生活に関する世論調査」があります。その調査では毎年、前年と比べた「生活の向上感」を尋ねていますが、2017年度は全体の平均で「向上している」と答えた人はたった6.6%しかいませんでした。これに対し「同じようなもの」は78.4%、「低下している」が14.7%でした。これをもって「日本はもう豊かな社会ではない」といわれたりします。

しかし、数字をよく見ると、興味深い事実が明らかになります。実は若い人ほど向上している感覚が高く、逆に高齢者ほど低下している感覚が強いのです。30歳未満の18~29歳では「向上している」が21.4%に上り、「低下している」は4.3%(「同じようなもの」は73.8%)でした。一方、60~69歳は「向上している」が3.0%、「低下している」は19.0%(「同じようなもの」は77.8%)に上るのです。

さらに、70歳以上では「向上している」が2.8%、「低下している」は21.8%(「同じようなもの」は74.8%)でした。つまり、年齢を重ねるほど向上感は乏しくなるわけです。全体の平均だけでは見えない現実がわかります。

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