夢だった冠レギュラーを持てたほか、日本テレビの『出川哲朗のアイ・アム・スタディー』や、TBSの『VSリアルガチ最強生物』など、特番でMCをする機会も増えた。「10年前には考えられなかった」と振り返るが、さらにうれしかった変化は、CM出演だそうだ。

「CMもずっと出たいと言い続けてたんだけど、なかなか出してもらえなくて。『ごきぶりホイホイ』とか、僕がゴキブリになって『ヤバイヨヤバイヨ』って言ったらぴったりじゃないかなと思ってたけど、全然オファーがないし。
それが、15年頃からCMのお話をいただけるようになったんです。特に感慨深かったのはサントリーさんの『明日のレモンサワー』。僕お酒飲めないのに。しかもチェン(=内村光良)と一緒にCMなんて。35年前に専門学校で知り合って、最初に友達になった男ですからね。チェンはすぐにスターになったけど、片や僕は『嫌い』だの『抱かれたくない』だのずーっと言われ続けてきましたから。うれしかったです。
他に、3年前にブログで『ピザはピザーラのカレーモントレーが一番好き』って書いたら、ピザーラさんのCMもできて。でもね、ピザーラ以外は、共演者とは別撮りで。チェンもそうだけど、ニチガスの本田翼ちゃん、ワイモバイルの桐谷美玲ちゃんも。会えるの楽しみにしてたのに(笑)」
■おじいちゃんになってもリアクション芸人
雑誌『an・an』の「嫌いな男ランキング」で5年連続1位となり、「殿堂入り」したのが05年。10年以上がたち、今では子ども人気はトップクラス、女性からは「かわいい」と評されることもある。
「体を張り始めてから27~28年、仕事内容も僕自身も何も変わってないです。それなのに急に『ブレイク』とか言われて。もう、本当に周りは勝手だよ(笑)。
出川哲朗をリアクション芸人として世に出してくれたのは、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』(1989年~96年)で、そのときからずっと、みなさんに笑っていただきたいと思ってやってきました。僕がこうやって応援してもらえるようになったのは、間違いなく『イッテQ!』があってのことですね。『イッテQ!』のおかげで、子どもやその親世代に親しみを持ってもらえるようになったので、ありがたいなと思っています。
18年は、まずは『充電』が終わらないように頑張りたいですね。番組でもよく神社やお寺にお参りに行くんですけど、60歳まではやりたいんですよ、この番組を。もちろん、他の番組も精一杯やります。僕はおじいちゃんになってもリアクション芸人でいたいので」
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2018年1月号の記事を再構成]