2018/1/19

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井村 確かに割高な銘柄が増えましたが、投資対象はまだ発掘できるとみています。何しろ世界にあふれる投資マネーがすさまじく多い。最終的には、大型株でも個人投資家にも人気があり、業績も好調な銘柄がその受け皿になるのではないでしょうか。それがアベノミクス相場の最終局面でしょう。

私は任天堂(東1・7974)の値動きをよくチェックしています。売買代金がすごく大きくて個人投資家も買っている大型株は任天堂以外にはあまりないからです。任天堂がバリュエーション(指標)を無視して急騰したら、バブルがはじけるのも近いとみていいでしょう。先月(17年11月)末に4万8190円の年初来高値を付けるまで上昇して、一気に行くかなと思ったのですが、その後は失速して4万3000円を割ってしまった。ピークに達するのは今じゃないんだなと思いました。

17年の年末から年初にかけて個人投資家が好む銘柄になかなか資金が回らずにつらい思いをする可能性もありますが、そこからの屈伸で任天堂が急騰すると、いよいよバブルも終わる。そう思いながら任天堂をウオッチしています。

御発注 18年は4月ぐらいまでは強いと思っています。これは大した理由はなくて、毎年4月までは強い相場が続くから、そうみているだけです。実は17年9月に安倍晋三首相が衆院を解散するまでは18年の相場は駄目だろうと思っていたんです。18年4月には日銀の総裁が交代する可能性がありますから。17年10月の衆院選で与党が大勝したので、少し強気に変わりました。

ただ、株価は1年先を織り込むでしょう。消費税の税率引き上げが19年10月に予定されているので、その1年前の18年10月あたりがターニングポイントになるのではないかとみています。

まだバブルではない

井村 それまでに保有株を売却して利益確定し、ポジションを軽くするようなイメージでいますか。

御発注 もう始めていて、今は現金の比率が全体の33%まで高まっています。

井村 それはこれまでで高い方なのですか?

御発注 最高ですね。18年10月までにさらに33%を利益確定しようと思っています。

www9945 じゃあ、キャッシュは7割近くになる。

御発注 そうですね。ただし、残りの33%は売りません。ずっと株で持ちます。強気な投資家たちの買いで相場がもっと上昇するかもしれないですから。それに乗れないのも嫌なので。

でも、上げ相場は続きますか。ちょっと長過ぎでしょう。上場企業の時価総額の合計をGDP(国内総生産)で割って株価の水準を見る「バフェット指数」が「割高」とされる1倍を超えて、既に1年近くがたっています。

www9945 バブルの時はまだこんなものでは収まらないですよ(笑)。

えす リーマン・ショックの直前でも、もう少し高揚感がありましたよね。

www9945 「米国の住宅価格の高騰は永遠に続く」と言っていましたから。

えす 「これはバブルではない」と繰り返されていた。

www9945 あの時の否定ぶりと怒りっぷりがまだ見られてはいません。

えす でも、期間が長く続き過ぎているのも気にはなる。

御発注 信用評価損益率(投資家が信用取引で買った株の含み損益の度合いを示す指標)がプラスにならないと終わらないとも思っていて、そこまでは相場の上昇分を取りに行きます。

えす まだ日本の投資家は全員が全員強気ではないでしょう。17年12月1日に日経平均株価が2万3000円に迫った時にも、多くの人が既に持っていた株を売ってしまっていて、あまり恩恵を受けなかった。やはりバブルはまだまだあると感じますね。全員が突っ込まないと、バブルは来ない。

井村 確かに上げ相場に乗れている個人投資家は多くなさそうです。個人の好む銘柄はさほど上がっていませんから。恩恵を受けているのは、海外投資家と機関投資家だけという印象もあります。

www9945 日経平均先物を買っている投資家だけでしょう。

井村 先物が海外投資家にカジノにされている。

御発注 日経平均レバETF(日経平均株価の値動きの2倍に連動する「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジインデックス連動型上場投信(東証・1570)」の略称)を買っておけばよかったのかもしれませんね。

www9945 最強かも。

えす 上げ相場に乗って稼いだという点でいうと、最大の勝者はTOPIX(東証株価指数)などの株価指数に連動するETFを年6兆円のペースで大量に購入している日銀かもしれないな(笑)。

井村 その結論はいいですね。(次回に続く)

(日経マネー 中野目純一)

[日経マネー2018年2月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年2月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)