「社長の右腕」に抜てきされる人 不可欠な10の特徴ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

上司にゴマをすったり、こびを売ったりして立場を引き上げてもらうと、相手に大きな借りをつくることになり、なおかつ相手から軽んじられてしまう傾向が強くなります。結果的に、経営者の右腕というよりは、言いなりになって使われるだけの存在になり、それがストレスや不満のタネを生んで退職に至るというサイクルに陥りがちです。

「出世する人は、トップと相性が合う・合わないとか、上司の好き・嫌いの影響もあるのでは?」という意見もよく耳にします。確かにトップとの相性による幸・不幸は、私がお会いする方のケースでも少なくありません。経営者といえども人間なので、自分にない強みを持った人や、自分の意見や考え方に近い人が良く見えてしまうことはあるでしょう。

ただし、経営者は永遠に権限を持ち続けるわけではありません。トップと考え方が近く、一枚岩でやってきた人は、社内の政権交代によって、社長と共に居場所を失うケースが非常に多いのは事実です。ある意味では、経営者にとって「本当の右腕」といえるのかもしれませんが、もともと価値観や肌合いによるつながりなので、後継の経営者に同じ関係性を引き継げないのは仕方がないことといえます。

ちなみに、このケースで最も出現率が高いのは、「E型=中堅企業・合議型」での経営参謀。オーナー型に比べて経営者の政権寿命が短い中、「お気に入り人事」の結末としてわかりやすい傾向になっています。反対に「B型=中堅企業・オーナー型」で、社長の右腕にはまった場合、よほど途中で関係性が壊れない限り、長く働ける傾向があります。

本人にとって満足度の高い転職が実現しやすいのは、「E型=中堅企業・合議型」の経営参謀で、コミュニケーションスタイルや仕事の進め方など、汎用性が高いスキルを持っている人が多いためだと考えています。また、オーナー型出身の方はオーナー型の企業、合議型出身の方は合議型の企業というように、経営の意思決定スタイルが近い会社に転職するケースが目立ちます。

経営者に頼られる人材「10の特徴」

繰り返しになりますが、ゴマすりや相性の良さだけで幹部になった場合、ひとたび政権交代が起こるとひとたまりもありません。その中でも、2世代、3世代と複数の経営者のもとで、長く経営参謀として活躍する人も、ごくわずかですが存在します。

共通するのは、会社を取り巻く課題や経営者の置かれた環境を察して、孤独な経営者に役立つ情報、解決策をアドバイスし、必要に応じて即実行できる能力です。課題に対しては、時には自ら長期にわたる出向や異動を志願したり、本来の持ち場である役割に固執せず、タスクフォースの裏方として動いたり……。会社や事業に対する愛着と能力、経験がかみ合った人材という方がわかりやすいかもしれません。

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