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先日、厚生労働省が発表した2017年10月の有効求人倍率は1.55倍で、1974年1月以来、43年9カ月ぶりの水準になった。高度経済成長期に匹敵する人材不足、売り手市場の傾向は、ミドル世代の転職にも少なからず影響しているが、最近、M&A(合併・買収)や経営層の若返りにより、転職相談の場で、優れた経営者の参謀を務めた方、大企業や有名なベンチャー企業でナンバー2だった方と会う機会が増えた。「社長の右腕」といえる人たちには共通点がある。経営者に頼られ、成功する人材の条件とは――。

「社長の右腕」に6つのパターン

転職市場では以前から、高学歴で大企業に勤める人ほど、なぜか経営トップではなく参謀やナンバー2を志向する傾向があります。しかし、社長の右腕、経営参謀といっても、ひとくくりでは語れない多様なバリエーションがあり、たとえば業界の違いや創業からの年数(企業年齢)などでも、その役割は全く変わってきます。とりわけ大きい因子は、企業規模、トップマネジメントのスタイルです。

企業規模は、3000人を超える大企業、大企業の傘下の関連企業や従業員規模300人以上の中堅企業、ベンチャー企業や中小企業という大きく3つに分類できます。トップマネジメントのスタイルというのは、オーナー経営者によるトップダウンのマネジメントか、取締役会などによる合議型の経営スタイルか、という違いです。

この2つの軸を掛け合わせると、図のような6つのケースに分けられます。

企業規模とトップマネジメントのスタイル、6つのパターン(図=黒田真行)

企業規模とトップマネジメントのスタイル、6つのパターン(図=黒田真行)

量的にもっとも多いのは、「C型=ベンチャー・中小企業のオーナー型経営」です。このタイプの企業で社長の右腕だった人が退職する場合、最も多い転職理由はお察しの通り、「経営者の強引な判断にどうしてもついていけなくなった」というもの。オーナー型の場合、規模が大きくなってもほぼ似たような傾向にありますが、やはり規模が小さいほど、オーナーの独走は激しくなるようです。

それと逆のパターンが、「D型=大企業・合議型」。大企業の経営参謀の転職は出現率が低く、実数は多くありません。こうした企業で重責を担っていた人が退職を検討する場合は、社内の派閥抗争やオーナーからの世代交代など、個別の人間関係というよりは、会社を揺るがす「政争」に起因することが多いようです。経営破綻やニュースになるほどの経営問題が原因になるケースはインパクトがありますが、実際にはそれほど多くありません。

出世するにはゴマすり、相性の良さが必須?

経営者に頼りにされる右腕、ナンバー2になる人は、「上役にゴマをするのが上手なのでは?」と勘繰られがちです。しかし、長く経営幹部を務めた人にそうしたタイプはあまり見受けられません。表面的なことを取り上げて人を褒めることが上手だったり、流ちょうに自己PRしたりするタイプも中にはいるものの、そういう場合は重職についている期間が短く、転職回数も多くなって、次のキャリアを見つけるのに苦労しているようです。

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