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キャリアコラム

「古希学長にワクワク」 出口氏が挑む第3の仕事 立命館アジア太平洋大学学長に就任する出口治明氏

2017/12/31

立命館アジア太平洋大学の新学長、出口治明氏

 2018年1月1日付で立命館アジア太平洋大学(APU、大分県別府市)の学長に就任するライフネット生命保険前会長の出口治明氏。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社し、国際業務部長に。還暦の60歳でインターネット販売のライフネット生命を開業し、70歳の古希を迎える18年に学長になる。大企業の社員から起業家、そして学長。「人生100年時代」を迎えるなか、第3のキャリアに挑む。

■偶然を大事にする人生、日生入社も

 「サラリーマンから還暦ベンチャー、そして古希学長。しんどいとか、大変とか思ったことはない。今、ドキドキ、ワクワクしています」。出口氏は笑いながらこう話す。チャレンジングなキャリア人生を歩むが、表情は温厚で柔和な出口氏。偶然の出会いを大切にし、仕事は面白いか否か、あくまで「ワクワク人生」にこだわってきた。

 日生に入社したのも偶然。法学部の学生で司法試験を目指していたが、京阪電鉄三条駅(京都市)の近くに住んでいた同級生と「滑り止めで、民間企業も受けておこうか」と電車で大阪市に向かい、降りたのが京阪本線の淀屋橋駅。そこにたまたま当時の日生の本社があったという。「ここも募集しているで」と人事担当者を訪ねると、「司法試験に落ちたら入社して」と誘われた。2人とも試験に落ちたので、そろって入社した。

大分県別府市にあるAPU。半数が外国人学生だ=APU提供

 数年後、同級生は司法試験を受け直して弁護士になった。しかし、出口氏は「日生はおもしろい会社や」とはまった。経営企画部門で長期計画を策定する中枢部門にいたが、当時は午後6時になると、酒を飲みながら議論がスタートするような社風だった。「若造」の意見も聞いてくれた。

 運用企画部門に進み、ロンドン拠点のトップから国際業務部長に就任した。1996年に2020年の日生の長期ビジョンを策定したが、その際、海外売上比率、利益比率20%を目指すという提案をした。当時、日生の海外売上比率はほぼゼロ%。日本の保険会社は典型的なドメスティック(国内)企業だったが、欧米の大手生保は違った。ただ、日生の経営陣は「国際化は重要課題」と出口案を支持した。そこにバブル崩壊に伴う金融不況が襲い、グローバル化計画は先送りに。その後、子会社勤務になった。左遷人事だったが、めげなかった。

■東大からスカウト

 「もう本社に戻らへんやろ」と考え、生保マンとしての遺書ともいえる本『生命保険入門』(岩波書店)を書いた。その時、また偶然の出会いがあった。

 そのころ、東京大学の小宮山宏総長(当時)のもとで友人が働いているというので訪ねた。そこで大学改革にまい進する東大にスカウトされた。05年に非常勤の東大総長室アドバイザーになった。「大学で働くのもいいな」と思っているとき、魅力的な人物を紹介された。

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